無認可共済の保険会社化…目次
無認可共済の保険会社化について − その11
特定保険業者から少額短期保険業者への移行
特定保険業者は2008年3月(あるいは2009年3月)までに、少額短期保険業者あるいは保険会社に移行することが求められています。
その移行をスムースにするために、特定保険業者から少額短期保険業者へ移行する場合の特例措置(優遇措置)が様々に用意されています。
特定保険業者から移行する少額短期保険業者の場合、最低資本金が1,000万円のところ、当面は半分の500万円で良いことになっています。また少額短期保険業者の保険金額の制限も本来の上限額を上回る部分を再保険に付すことによって、当面は全体で概ね本来の上限額の5倍までの金額の契約を引受けることができます。
無認可共済や特定保険業者は任意団体(あるいは人格なき社団)の形で事業が行なわれている所も多いのですが、少額短期保険業者は法人でなければなりません。そこでそのような場合、少額短期保険業者への移行にあたってはまずは法人(株式会社あるいは相互会社)を設立しなければなりません。
そしてその法人で少額短期保険業者の登録を済ませたところで、特定保険業者の契約をその少額短期保険業者に移管する手続きをしなければなりません。特定保険業者の契約が1年かそこらで皆終了してしまうとか、加入者に契約を全て解約してもらって改めて少額短期保険業者の契約に入り直してもらうということが可能であればそのような方法も取れますが、そうでなければ《契約の包括移転》という手続きをすることになります。この包括移転の手続きも結構ややこしい手続きで、期間も2-3ヵ月かかり、またお役所の認可手続きも必要です。
少額短期保険業者の登録の際、特定保険業者からの契約の包括移転があらかじめ予定されているのであれば、登録申請の手続きの中で、包括移転についても実質的に審査されることになり、実際に包括移転をする時の認可申請は実質的に既に審査済みの事項について、その通りいなっていることを確認するという手続きになります。
特定保険業者から保険会社への移行
特定保険業者から保険会社に移行する場合も、特定保険業者から少額短期保険業者へ移行する場合と同様です。保険会社の場合は保険期間や保険金額に関する制限がないので、既契約もすんなり移すことができます。ただし保険会社は生損保兼営が禁止されているので、生損保にまたがる商品を販売している共済は工夫が必要です。
ある無認可共済では、生保の部分は規模が大きいので保険会社に移行し、移行できない損保の部分は仕方がないので少額短期保険業者を作ってそちらに移行するという戦略を立てています。場合によってはどちらかをやめてしまうとか、他の会社に移管するとかのやり方も考えられます。
もちろん特定保険業者が任意団体の場合には、新たに保険会社を株式会社あるいは相互会社の形で設立することが必要なのは、少額短期保険業者の場合と同じです。
保険会社の最低資本金は10億円ですが、特定保険業者から移行する保険会社の場合は、当面最低資本金を5億円とするという特別な措置が採られます。もちろん最低資本金を用意すれば免許が取得できるということではなく、その保険会社の収支の見通しによりそれを上回る資本金が最初から必要になるかも知れません。
特定保険業者から保険会社に移行するのに、直接移行するという形だけでなく、特定保険業者から一旦少額短期保険業者に移行し、その後その少額短期保険業者が保険会社の免許を取得して保険会社になるという形もとることができます。
少額短期保険募集人
生命保険の募集人には生命保険募集人登録の制度があり、損害保険の募集人には損害保険代理店登録の制度があります。
新たにできた少額短期保険募集人には、これも新たに少額短期保険募集人登録の制度ができました。即ち少額短期保険募集人は生保・損保の募集人とは別に登録しなければなりません。
登録のための教育・試験制度も準備中です。当面は生保協会・損保協会が共同でテキスト作りや試験の実施をしますが、その後少額短期保険業者の方で適当な受け皿を用意して、そちらに移管することになる予定です。
少額短期保険業者は生損保兼営ありですから、その募集人の教育・試験でも生保の知識・損保の知識の両方が盛り込まれることになります。
法人が少額短期保険業者の募集代理店となる場合には、生・損保の代理店になる場合と同様、少額短期保険業者の募集代理店となるということを会社の定款に記載することが必要になります。ということは、定款の変更が必要だということです。
乗合代理店の規定も特にありませんので、生・損保の募集人・代理店が複数の少額短期保険業者の募集代理店になることも可能です。
無認可共済の保険会社化について−その1
無認可共済の保険会社化について−その2
無認可共済の保険会社化について−その3
無認可共済の保険会社化について−その4
無認可共済の保険会社化について−その5
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