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■「年金受取」型死亡保障は逓減保障

9005    死亡保険金の受取総額はいくらになるのか

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bird管理人の保険知識…目次

年金払いの生命保険


死亡したときに年金が給付される生命保険商品が増えています。所得保障保険、生活保障、収入保障保険、あるいは家計保障保険等と呼ばれています。

サラリーマンの妻であれば、毎月の一定の収入のなかで生活することに慣れています。だから年金で受け取ることは生活設計上で便利なことかもしれません。

生命保険の死亡保障を考えるにあたって、年金受取だということに惑わされないで、それが死亡保険金として幾らの価値があるかを考えて下さい。そして多くの年金払いの生命保険契約は、実質的には逓減定期保険だと考えて下さい。
商品例

なお損害保険会社の所得補償保険と混同してはいけません。所得補償保険はケガや病気により就業不能となった場合について、その期間について1ケ月あたり例えば20万円といった金額が所得の補償として支払われる損害保険契約のことをいいます。この契約では契約者本人が死亡した場合には基本的に保険金の支払いはありません。つまり契約者本人が生存していても仕事が出来ない場合の収入保障です。感覚的には生命保険での入院給付保険に近いものと考えましょう。


「年金受取」型の生命保険


「年金受取」型の生命保険を契約しようとするときは、その年金を一時金に置き換えて保障金額を考えましょう。年金受取型ではない生命保険契約の死亡保険金を一時金で受け取って、それを年金保険契約に一時払いで払込んだと考えれば同じことなのです。

たとえば死亡したときに年間240万円を10年間受け取ることができる特約と、死亡したときに2400万円を受け取る特約は、(金利部分を無視すれば)、実質的には同じです。年金で受け取るということは死亡保険金を「分割」で受け取っているのと同じなのです。そして年金払いとなっていても実際の死亡の場合には一時金として金利相当分を差し引いた金額で一括で受け取ることが多いようです。

一時金受取の魅力・保険会社破綻の心配・年金に対する税金の問題(後述します)とを考えたならば、たとえ年金で受け取れる保険契約であっても、可能であれば一時金を選択するのが普通でしょう。もちろんそれはその人ごとに判断すべき問題ではありますし、年金受給の選択肢を残しておくということは悪いことではありません。

年金の種類で支払い総額は違う

年金で支払われるといってもいろいろなものがあります。どのような年金なのか注意しましょう。
@終身年金

終身年金といって年金支給開始から年金受取人が死ぬまでずっと支給をされるもの。保証期間といってその年金受取人が早死にしても一定期間は遺族に支払われるものもあります。

(終身年金なら)
受取人が死ぬまでずっと年金が続きますが、その受取人が4年で死んだら、その4年で年金は打ち切りです。


(10年保証期間付終身年金なら)
受取人が死ぬまでずっと年金が続きますが、その受取人が4年で死んでもあと6年はその受取人の遺族に支払われます。


A確定年金

確定年金といって何年間あるいは何歳までといった一定の期間支給が約束されるもの。死亡保険金を年金で受け取る生命保険は通常はこの確定年金です。さらにこの確定年金は二つに分かれます。

(単純な確定年金なら)
年金の受給期間を例えば10年間ときっちり決めるもの。
夫の生命保険で受取人が妻とします。その生命保険の契約期間中いつ夫が死んでも10年間の年金となります。契約期間内なら夫が30歳で死亡しても10年、59歳で死亡しても10年です。


(年金払い生命保険で多いタイプ)
その生命保険契約で一定の年月を定めてその月まで年金が支払われるもの。例えば夫が生存していたなら60歳になる日まで、といったようにです。夫が30歳で死亡すれば年金期間は30年間ですが、50歳で死亡すれば年金期間は10年間です。59歳で死んだら1年間となってしまいます。いつ夫が死んだかで年金総額は違ってきます。
1年間ではあまりに短すぎるとして年金支払いの最低年数保証があるものが大半です。それが5年だとすれば59歳で死んでも5年間の年金期間があります。
死亡時期が遅くなるにつれて年金支給総額は減少するのです。その意味では死亡保険金が年月の経過とともに徐々に減少する「逓減定期保険」と同じなのです。


死亡保険金を年金で受け取るときの税金問題

夫が40歳で死亡しました。
年間240万円を20年間(総額4800万円)で受け取る生命保険契約と死亡保険金を4800万円一時金で受け取る生命保険契約があります。夫が死ぬまでに保険料総額360万円を支払っていました。
(年金を一時金で受け取ると金利相当額として数100万円が控除されます。だから同額であれば一時金の方が価値があるのですが、ここではその金利部分は無視します。)

一時金で4800万円受け取る場合。
これは4800万円全額が相続税の課税対象になります。ただし相続税の基礎控除や生命保険金の非課税枠等があり、相続税がかからないこともあります。逆に他に財産があれば相続税の税率が重いこともあります。

年金で年間240万円を20年間を受け取る場合。
相続税の課税対象は「年金を受け取る権利」です。20年の年金の場合には年金総額の0.4で計算することに決まっています。つまり240万円×20年×0.4=1920万円が相続税の課税対象です。一時金よりも少ない金額になります。しかしそのあとの年金に対して別の課税があります。

そのあと年金に対する課税は所得税です。「相続税を払ったのだからもういいのではないか」とも思いますが、税金の理屈では相続税と所得税は別のものだから、たとえ相続税がかかっていても別に所得税がかかるのです。所得税は「いくら儲けましたか。その儲けに対して税金を掛けます。」という税金です。だから儲けを計算します。

いくら儲けたのでしょうか。保険料総額360万円を払って年金総額4800万円を受け取ります。この差額が儲けです。1年分で計算すれば1年分の受取年金額240万円でそれについて払った保険料は18万円(360万円÷20年)。差引222万円が所得税の課税対象になります。これも他の所得次第です。人によっていくらの所得税住民税が課税されるかは違います。

そして保険会社は源泉徴収をします。儲けの10%相当額の22万2000円を最初から差し引いて振り込んできます。だから振り込まれる金額は240万円ではなく217万8000円になります。そして保険会社は妻に税引き前で年間240万円の年金を支払っていることを税務署に報告(支払調書といいます)をします。

つまり年金受取の場合には、相続税は軽いけれども所得税が重くなることになります。


ちなみに死亡保険金を一時金4800万円でまず受け取ります。その上で年額240万円で20年間の年金保険契約の一時払い保険料としてその4800万円を払込んだとしましょう。
この場合にはまず相続税は4800万円に対してかかってきます。これは仕方がありません。
そして毎年の年金に対しても所得税がかかってくるはずです。しかし儲けがありません。4800万円を払込んで年金総額4800万円を受け取るのですから。儲けが無いのですから結果的に所得税はかかりませんし、源泉徴収もされません。ただし保険会社は税務署への報告はします。
(年金保険契約に一時払保険料4800万円を払って年金総額が4800万円だけということは定額年金なら現実にはありません。金利分が上乗せされ年金額が多くなるのが当然です。)

どちらが有利か
一般論で言うのなら、相続税の心配がないのならば一時金の方が税務上では有利です。

課税例

確定年金の年金受給権の相続税上の評価

年金の残存期間
5年以下0.7
5年を越え10年以下0.6
10年を越え15年以下0.5
15年を越え25年以下0.4
25年を越え35年以下0.3
35年を越える0.2
ただし年金年額の15倍が上限

年金と一時金の受取額の違い及び課税の実例


30歳契約60歳契約満了の年金型定期保険
年金年額240万円・最低支払保証期間5年

ある契約例
(2002年8月 東京海上あんしん生命 家計保障定期保険)
契約の型定額型
家計保障期間30年
ご契約年齢30歳男性
保険料払込期間30年
基準給付金月額20万円
最低支払保証期間5年
保険期間30年
月払保険料(口座振替扱)7,420円
(2002年8月現在)

契約から3年4ケ月目に死亡(高度障害)の場合

受取方法を選択できます。
1 給付金として毎月受け取る方法
(保険金の月払給付) 月額20万円×321ヶ月
(受取総額 6,420万円)
2 一時金として受け取る方法
(保険金の一時支払) 51,840,000円


この場合の所得税課税対象額(Hoken-Erabi.netによる概算です)

年間収入 20万円×12月=240万円
年間経費 240万円×(20万円×321ケ月/7,420円×3年4ケ月)=約5万円
収入金額×(年金総額/保険料総額)
年円所得 240万円−約5万円=235万円
源泉徴収税額 年間 235万円×10%=23.5万円
源泉徴収税額の総額 23.5万円÷12月×321ケ月=628万円


年金を一時金に換算するには

金利を何パーセントで見るかで大きく違ってしまいます。
国税庁は金利3パーセントの場合の複利年金現価率をホームページで公開しています。ここは税金とは関係ないことなのですが、数字だけ参考にさせてもらいましょう。

国税庁のホームページ
下に重要な部分だけ次に並べました。

10年間にわたり毎年「1万円」を受けとる年金の現在価値は8.53万円となります。10年間の受け取り総額は「10万円」ですが、これを年3パーセントで割引計算をして現在価値に置きなおすと8.53万円となるということです。これは受け取り総額の約85パーセントになります。

15年間にわたり毎年「1万円」で、受け取り総額「15万円」の年金の現在価値は「11.983万円」となります。受け取り総額の約80パーセントです。
20年間毎年「1万円」で、受け取り総額「20万円」の年金の現在価値は「14.877万円」となります。受け取り総額の約74パーセントです。
同様に30年間毎年「1万円」で、受け取り総額「30万円」の年金の現在価値は「19.6万円」となります。受け取り総額の約65パーセントです。


つまり、年金を金利3パーセントで計算して一時金に換算すると

10年の確定年金 なら年金総額の、 85パーセント、
15年の確定年金 なら年金総額の、 80パーセント、
20年の確定年金 なら年金総額の、 74パーセント、
30年の確定年金 なら年金総額の、 65パーセント、

がその年金についての金利3パーセントで考えたときの現在価格になります。


年金払いでない一括払いの死亡保険金だとしたならば、この金額を死亡保険金だと考えればいいのではないでしょうか。
たとえば年100万円30年間の年金の受取総額は3000万円です。これを一括払いの保険金と考えるのなら、3000万円×65%=1950万円となります。



年数年3パーセントの複利年金現価年数年3パーセントの複
利年金現価
10.971  2014.877  
2

1.913

 

 

32.829 2517.413
43.717   
54.580 3019.600
108.530 3521.487
1511.938   

小数点以下第4位を四捨五入により、複利終価は小数点以下第4位を切捨てにより作成している。






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