アリコ「リターンズ」の戦略を読み取る byしごとにん(31)メットライフアリコ

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アリコ「リターンズ」の戦略を読み取る byしごとにん(31)

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アリコ「リターンズ」の戦略を読み取る


先月も取り上げられていましたアリコから発売された「リターンズ」ですが、各方面から様々な反響があるようです。

同じAIGグループのエジソン生命から昨年発売されていた「健康のススメ」をリニューアルしたような内容ですが、アリコのSP(セールス・プロモーション)が秀逸なため、巷での浸透具合は「健康のススメ」の比ではありません。

そこで今回はアリコのSPに惑わされず、その裏側にあるアリコの戦略と消費者のリスク(?)を考えてみたいと思います。

構造的なリスクを考える


このコラムで何回か書いていることですが、死亡、医療そしてがん保険と保険は目的別にそれぞれ加入するのが王道です。

ただ死亡保障については、終身保険は将来の「長生きのリスク」に備えるために貯蓄の機能をフル活用することをお勧めしますが、「医療保険+貯蓄」はいかがなものでしょうか。

この「リターンズ」の最大のセールスポイントは、「支払った保険料は全額戻り、入院保障は一生涯続く」ということです。

これだけ聞けば「素晴らしい保険だ」ということになります。

しかし、問題があります。

「支払った保険料は全額戻る」ということは貯蓄機能が付いているということになります。

しかし、貯蓄として考えた場合2つの欠陥があります。


  1. 途中で解約した場合、解約返戻金は大きく元本割れしてしまう

  2. 給付金を受け取った場合、その分は差し引かれてしまう

この1と2どちらかでもデメリットでない商品設計であれば、多少はマシなのですが、この2点が共存していることはメーカー(アリコ)のメリット、消費者のデメリット(リスク)となります。

つまり、「途中で解約した場合、解約返戻金は大きく元本割れしてしまう」のであれば、受け取った給付金分は差し引かれない、また、「給付金を受け取った場合、その分は差し引かれてしまう」のであれば、途中解約でも解約返戻金は大きく元本割れしない、とならなければ、消費者にとってデメリットの方が大きいのではないかと思います。

他の商品でもある「無事故ボーナス」と考え方は同じで、「保険料払っているのに保険を使わなくて損した」という心理をついて「保険給付金の支払いがなければボーナスを差し上げますよ」という仕組みです。

これは「保険給付金の支払いがあったらボーナスは差し上げませんよ」ということなのですが、この手の保険を申し込む方の99.9%はこの「無事故ボーナス」は既得権として考えています。

そのため、短期の入院などで数万円にしかならない請求や、給付金が出るか出ないか微妙な請求にはかなり消極的にならざるを得ません。

これは、保険会社にとっては明らかなメリットとなり、少額の件数が多い給付金の請求を一定割合抑えられることになります。

継続する・・という観点から考える


30歳の男性で日額1万円60日の入院保障を確保するために、約2万円程度30年間支払いつづけなければなりません。医療保険だけで月々2万円というのはかなりの負担になると思います。

契約者が果実を手にできるのは、60歳まで保険料を払いきり、更にその間、入院も手術もしなかったケースだけです。(入院、手術をして請求しなかったケースではありません)

家計の見直しをする際、この保険は真っ先にFPに指摘されることは間違いありません。

廉価の終身医療保険と比べると約3倍の保険料負担があるこの「リターンズ」の場合、減額すれば入院日額がかなり小さくなり保障が貧弱になってしまいます。

また、最悪の場合健康状態によって保険の切り替えが難しいこともありえます。

それと、この「リターンズ」については、一応積み立てタイプでありながら、契約者貸付の機能がありませんので、保険料の引き落としができなかった時の「保険料立替」もなく、高額な保険料の支払いを長期間継続するのは難しいかもしれません。

つまり、終身医療保険で一番大切な「継続する」ことができないリスクが極めて高いことになります。

代案を考えてみる


この「リターンズ」の代替案として、アフラックの「EVER」60歳払い済みタイプと東京海上日動あんしん生命の「長割り終身」を考えてみましょう。





「リターンズ」の唯一無比のメリットは、繰り返しになりますが、「支払った保険料は全額戻り、入院保障は一生涯続く」であり、それ以外はEVER,長割り終身連合軍に劣ります。

特に「リターンズ」においては、死亡保障が極めて小さいため、入院がほとんどない場合5年ほど継続したあとに死亡給付金を受けても、元本割れとなってしまいます。

従って、死亡保障は別に加入しなければならず、表のように「長割り終身」で一生涯の死亡保障を確保すればトータルで考えれば合理的です。

また、「長割り終身」においては、保障額の減額は100万円まで可能ですし、契約者貸付も受けられますので、家計の見直しの際、手を入れることができます。

その際、医療保険(ここではEVER)は、別ポリシーですので保障を減額しなくて済みます。

保険商品を選ぶ際、メリットばかりに囚われることなく、デメリットにも目を向けることが大切であると思います。

特に、継続しやすいか、手を入れやすいか、という点が重要になります。参考になれば幸いです。

2007年7月


注目商品アリコジャパン リターンズ
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