生命保険節税「逆ハーフタックスプラン」最高裁判決

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生命保険節税「逆ハーフタックスプラン」最高裁判決

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「逆ハーフタックスプラン」最高裁判決と節税スキーム
経営セーフティ共済は国営法人税節税商品(お奨め節税商品)
小規模企業共済は個人事業主も使える国営節税商品(お奨め節税商品)
「やるな」ではなく「やるなら、よく分かってやってくれ」なのです。誤解がないように。


節税スキームへの最高裁判決

「逆ハーフタックスプラン」


 生命保険の節税スキーム「逆ハーフタックスプラン」の判決が平成24年1月13日に最高裁判決でありました。結果そのものについては国税側が勝ち、納税者は負けです。

 その結果は後として、節税スキームに対する接し方を考えてみましょう。まず「逆ハーフタックスプラン」を離れて節税スキームの考え方を見ていきましょう。


 武富士創業者の長男は贈与税を免れるために香港を住まいにして、また武富士株式についてはオランダの会社が大量保有する形態にし、一気に長男に贈与しました。当時の日本の税法では課税できませんでした。平成17年3月2日に税務署は延滞税を含めて1600億円の課税処分を行います。

 平成23年2月18日に最高裁判決です。

 「主観的に贈与税回避の目的があったとしても、客観的な生活の実体が消滅するものではない」とし、租税回避目的でも、法律が決められた通りあるべきだから贈与税の課税処分は違法だ、として長男の勝利が決定しました。

 長男は延滞税を含め約1600億円を納付して争っていました。国は利子にあたる「還付加算金」約400億円を上乗せしたうえ、総額約2000億円を還付します。武富士株式は会社更生法申請で紙くず化しましたが、創業者の長男は逆転勝利により2000億円を確保です。


 判決にある裁判官の補足意見には、「法廷意見の結論は一般的な法感情の観点からは少なからざる違和感も生じないではないけれども、やむを得ないところである。」

 …言い換えると…香港ではあまり仕事をしていなかったようだけれど香港に長くいたのは事実。租税回避狙いであり著しく不公平だし、違和感もある。だけど日本は租税法律主義。法律で課税ができないものに課税するわけにはいかないので仕方がないか…。

 これが租税法律主義です。法律の根拠がなければ 租税を賦課されたり徴収されたりすることがないとする考え方です。

 厳しい節税スキーム作りとはこの最高裁判決のように「…違和感も生じないではないけれども、やむを得ないところである。」という仕組み作りです。


 スキームによる節税への倫理観等への是非は意見が分かれるのです。ただし、正当な経済行為を行い、立法府が組み立て行政府が運用されている税体系に正面から向き合い、租税法律主義にのっとりその税法の規定に従うと結果的に税額が少なくなる仕組みを作り上げたのです。


 A社B社方式というその世界では有名な節税スキームがありました。現物出資を行ない人為的に含み益を創出し、株式の相続税評価について含み益をつかって控除圧縮する方法です。時価100億円のA社株式をB社に現物出資します。B社がその受入価額を1億円と決める…といったことをして株価を調整し、相続税を圧縮します。

 不動産M&Aという節税スキームがありました。不動産を所有する会社廃業するために土地を10億円で売ると法人税です。法人税税引き後のお金を個人に所得税です。二段階の課税で残りはわずか4億円になってしまいます。そこで法人税での精算所得や株式償却仕組みをつかい、不動産売買を、会社売買と会社清算の形式にしてしまいます。つまり会社を10億円で売ります。そうすると個人は会社(株式)売却のわずかな譲渡課税だけで済み、手取りは8億円になります。買い手も手続きによって会社ではなく不動産を直接手にできます。

 負担付贈与スキームがありました。時価20億円で相続税評価12億円の土地に20億円の借金で20億円の賃貸ビルを建てます。その賃貸ビルの相続税評価は10億円になります。この土地と建物と借金をあわせて贈与します。土地12億円+建物10億円−負担債務20億円=2億円。時価ベースなら土地20億円+建物20億円−負担債務20億円=20億円。本来20億円のものを2億円に対する課税だけで済ませてしまいます。


 結果的に裁判所等で争った結果の「勝った負けた」はあっても、いずれも武富士事案のように、正当な経済行為を行い、立法府が組み立て行政府に運用されている税体系に正面から向き合い、租税法律主義にのっとれば、その税法の規定に従うと結果的に税額が少なくなる仕組みを作り上げるのです。

 一定の経済行為や形態に対して税法の規定は一定の課税をします。Aという姿に対してはaという課税、Bという姿に対してはbという課税です。

 法形式的にはAなんだけれどもaの課税を受けたくない。bの課税を受けたい。

 年金形式で受け取る死亡保険金は税法上では、一時金で受け取るより不利でした(最高裁判決がその後あります)。保険の業界での実務常識は「死亡保険金を年金形式で受け取ると課税上不利。よって年金形式でなく、一時金で受け取るべき」でした。だから年金形式が原則でも一時金選択可能な商品設計をし、そう顧客指導してきました。

 法形式的には「年金」なんだけれども「年金として」の課税を受けたくない。「一時金として」の課税を受けたい。だから年金形式でなく、一時金で受け取る。折角の年金なのになぜ一時金にするの?と「…違和感も生じないではないけれども、やむを得ないところである。」という仕組み作りです。
 

生命保険年金二重課税の微妙な最高裁判決と還付

 上記のような大規模な節税スキームも同じです。着地点「一時金としての課税」を決めて、現状は「年金」だから、着地点から逆算していき、どのような経済行為、現物出資等・合併等・債務付贈与を行っていくのです。その行為一つ一つが経済正当な行為として組み立てていくのです。

 社会的倫理的にスキームの是非について様々な考え方はあるにせよ、極めてクールに知的に組み合わされたクリエイティブな仕組みづくりです。

 それにより最高裁判決で「…違和感も生じないではないけれども、やむを得ないところである。」と言わせることを目指すのです。もっとも結果的には裁判で負けたものもあり、税制改正でふさがれたものもあります。


 最高裁まで争われた「逆ハーフタックスプラン」


 「ハーフタックスプラン」とは、保険料の半分を損金算入できるという制度です。養老保険で死亡保険金受取人を従業員や役員の遺族、満期保険金受取人を会社とするものです。

 会社としては中途解約も可能で退職金積み立てにもなり、万が一の時は従業員や遺族に死亡保険金が払われます。満期保険金が会社に払われるのですから、本来は積立に近い保険ですが、まあ福利厚生プランだから(?)、2分の1は損金にしていい、という扱いでした。

 この死亡保険金受取人と満期保険金受取人を逆にしたものが「逆ハーフタックスプラン」です。

 法律の通達や規定がないけれど、「ハーフタックスプラン」の逆だから全額損金。

会社が受取人になる死亡保険金部分(保険料の2分の1)だから損金、満期保険金受け取りに対する部分(保険料の2分の1)は従業員や役員に対する給与と考えるからです。

 そしてこの「逆ハーフタックスプラン」には2段階目があります。満期保険金の扱いです。満期保険金を従業員は役員個人になりました。


「この事案は平成8年から10年に契約し、平成13年から15年に満期を迎えた保険期間3年と5年の養老保険契約13件である。被保険者は4人で、満期保険金等の総額は43億円と言うものであった。平成17年3月に更正処分を受けた後、約7年にわたり争っていた。」(新日本保険新聞2012.1.23.)


 それが平成24年1月13日に最高裁判決を迎えました。

 問題は満期保険金の43億円を会社役員が受け取ったときの一時所得の課税です。

 ここでは30億円の保険料を払って満期金が40億円になったとしましょう。これが逆ハーフタックス方式なのですから、払い込んだ保険料の半額15億円は会社の損金で半額15億円は会社役員への給与です。(実際には役員への給与課税ではなく会社役員への貸付金として処理したようです。結果は同じになります。)

 満期保険金は40億円は会社役員が受け取ります。生命保険の満期金の受け取りは所得税の一時所得とされます。

 個人契約で300万円払った養老保険が400万円の満期になったとすれば、一時所得の総収入金額400万円から、その収入を得るために支出した金額300万円を控除し、特別控除額50万円を控除した金額が一時所得の金額として課税対象になります。

 問題となったのは「その収入を得るために支出した金額」が15億円なのか30億万円なのかです。確かに保険料は30億円払っています。だとすれば30億円かもしれません。しかし15億円は会社が支出した費用であり経費(損金)になっており、満期保険金受取人が支出した金額ではありません。

 一時所得の「その収入を得るために支出した金額」とは、事業所得でいえば「必要経費」、法人でいえば「損金」に対応するものです。

 15億円は保険料支払いの時に会社が支払い会社の経費(損金)と処理しています。その15億円を満期保険金受取の際して個人としてもう一度経費(その収入を得るために支出した金額)として使えるかという論点です。


 所得税法第三十四条第二項「一時所得の金額は、その年中の一時所得に係る総収入金額からその収入を得るために支出した金額(その収入を生じた行為をするため、又はその収入を生じた原因の発生に伴い直接要した金額に限る。)の合計額を控除し、その残額から一時所得の特別控除額を控除した金額とする。」


 分かりやすく言えば15億円払って領収証をもらいました。この領収証を最初は会社の経費にしました。もう一度同じ領収書を個人の経費にしました。これでいいですか。

 拠り所は「『その収入を得るために支出した金額』という言葉には損金にしたかしないかなんて書いていない。だから過去に一度経費した金額でも対象になる」という主張です。


 まず常識で考えれば「そんなの無理だろう」。

 それが租税法律主義として争われた論点なのです。

 確かに所得税をそう読む余地はありますし、所得税法施行令や所得税法の基本通達からもそう読めます。

 そして次が最高裁判決です。


ここにいう「支出した金額」とは,一時所得に係る収入を得た個人が自ら負担して支出したものといえる金額をいうと解するのが上記の趣旨にかなうものである。また,同項の「その収入を得るために支出した金額」という文言も,収入を得る主体と支出をする主体が同一であることを前提としたものというべきである。

したがって,一時所得に係る支出が所得税法34条2項にいう「その収入を得るために支出した金額」に該当するためには,それが当該収入を得た個人において自ら負担して支出したものといえる場合でなければならないと解するのが相当である。

なお,所得税法施行令183条2項2号についても,以上の理解と整合的に解釈されるべきものであり,同号が一時所得の金額の計算において支出した金額に算入すると定める「保険料…の総額」とは,保険金の支払を受けた者が自ら負担して支出したものといえる金額をいうと解すべきであって,同号が,このようにいえない保険料まで上記金額に算入し得る旨を定めたものということはできない。所得税法基本通達34−4も,以上の解釈を妨げるものではない。



「「その収入を得るために支出した金額」に該当するためには,それが当該収入を得た個人において自ら負担して支出したものといえる場合でなければならないと解する」つまり個人は15億円の領収証は使えません、という判決です。

15億円だとすれば15億円分所得が増え、最高税率でしょうからその25%相当の所得税住民税が増えることになります。


 武富士・A社B社方式・不動産M&Aも、租税法律主義を意識して仕組みを作り上げたものです。

 武富士の最高裁判決には「主観的に贈与税回避の目的があったとしても、客観的な生活の実体が消滅するものではない」とあり、海外で実際に生活することで「客観的な生活の実体」を作り上げたのです。

 しかし「逆ハーフタックスプラン」は違います。「『その収入を得るために支出した金額』という言葉には損金にしたかしないかなんて書いていない。だから過去に一度経費した金額でも対象になる」と法律の条文のいわば、言葉尻、言い損ないをとらえて満期保険金で43億円分を投入した案件です。

 つくりあげた節税スキームではなく税法の言葉尻、言い損ないを突いているだけなのです。A社B社方式・不動産M&A・負担付贈与等を身近に経験してきた当サイトの管理人としての率直な感想としては「よくこのスキームに大金を投じたな…」と感じています。

 誰がどう提案して、どうリスクを説明して、どうリスクを覚悟して、そして本当にそれを納得して検証してから実行したのだろうか…。


争っているのは租税法律主義か常識か


 確かに法律の規定で争っているのですから、「租税法律主義」ですが、租税法律主義以前の、多分「常識」事案だとおもいます。「一枚の領収書を2つの会社の経費で落とす」という提案なのです。

 武富士の最高裁判決のように「客観的な生活の実体」を作り上げ、その実体を争うのとはちがいます。単に言葉尻です。

 普通の経営者や経理マンに「一枚の領収書を2つの会社の経費で落とすスキームです」と説明したら「ちょっと待ってくれ。考えさせてくれ。」と言うはずです。


 それはこのスキームが経営者の発想としては常識外れだからです。もちろん「B勘屋」と「かぶり屋」と呼ばれる領収書水増しに慣れているブラック経営者なら乗るのでしょうが、常識を持つ真っ当な経営者や経理マンが、スキームの意味することを知れば、そうは簡単には乗りません。

 (もちろん確かに一部には納税意識も全くなく常識感のない社長とか理事長がいることも事実ですが、逆にリスクだけには敏感なはずですが。)

 ただそれを「領収証2度使い」でなく「生命保険に特別に認められた節税手法だから…」なんていう説明をされると、そのことばでは自分の常識判断ラインでは反応できないですから、コロッと乗せられてしまいます。

 確かに法律・政令・通達の言葉尻をとらえれば、可能性もありますし、現に下級審ではその言葉尻を厳密に捉えて、納税者が勝っています。そしてその点を配慮して最高裁判決も罰金に相当する過少申告加算税課税については高裁で審理し直せと命じています。

 ただ常識から外れたことには名違いありません。常識から外れたことをやればそこにリスクがあるのです。


相続税対策を考えるときに大切なのは「常識」です。普通に考えてこの評価は低すぎる、と思ったならその評価は「常識外れ」でありリスクを負っています。

何も知らずにリスクを負わされた顧客は悲劇を迎え、顧客にリスクを負わしたコンサルは損害賠償請求の恐怖を味わいます。

相続税対策に必要なのは「常識」…生命保険での節税策改正?


 そこに満期保険金で43億円、保険料でも何十億円をつぎ込んだのでしょうから、リスクを認識していたのでしょう。だからこの結果も覚悟の上だったのでしょう。だったならいいのです。

 リスクを認識して実行していたのであれば特に言うことはありません。生命保険に限らず節税スキームに乗るときはどのように「納得」するかです。ただリスクも知らずに自分がどんなリスクに乗っているかも知らずに実行しているケースが余りに多いのです。

よく分かってやってくれ


 仕組みとして提供されるこのような節税スキームを実行するのは自由です。それぞれの責任です。

 ここでは「やるな」ではなく「やるなら、よく分かってやってくれ」なのです。「やるな」とい言っていませんので、誤解なさらないでください。

 自分自身がどんなリスクを負っているのかをしらないて、危険な状況に落ちいてっている会社や人がどれほどいるのか。

最近では銀行に仕組まれた為替デリバティブで破綻する企業も多いようです。生命保険も同様にリスクを覚悟しないといけないスキームがあるのです。

 大きな節税をするのなら「将来税制が変わる可能性があります」程度の言葉に乗ってはいけません。リスクをしっかり認識したうえで対処しましょう。


この仕組みのリスクはどうなの?…
この仕組みは改正される可能性が高いところなの低いところなの?…
否認された場合のデメリット、幾ら損する?…
誰が問題ないと言っているの?…
責任とってくれるの?保証してくれるの?
もし節税メリットがなくなったとして、それでもこの保険商品は有利なの?
安全な節税とヤバイ節税

2012.2.


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