注目商品 ウィズファミリー(ソニー・エイゴン)by杉山明(26)ソニーライフエイゴン生命

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生命保険■独断解説

注目商品 ウィズファミリー(ソニー・エイゴン)by杉山明(26)

7610  ソニーライフエイゴン生命

ウィズファミリー オリックス生命


保険商品に関する情報




この商品の評価ポイント


  • 契約年齢に応じて最低死亡保証金額が設定されているため、中途解約をしない限り元本割れ状態になることはない
  • 安定運用資産と積極運用資産の配分を時系列で変更させることにより価格変動リスクを緩和するしくみになっている
  • 資産運用はインデックス運用に定評のある運用会社を採用している

この商品の注意を要するポイン


  • 保険関係費用は年率で2.98%、初期経費は一時払保険料の5%と高水準になっている。
  • 年金額は契約年齢に応じてあらかじめ決められている

消費者側の注意点


  • 変額年金保険の名称がついた保険であるが、保険金額や年金額の変動する部分の少ない変額年金保険である。死亡保障と老後保障が両方とも得られるようなイメージを持ちやすいが、利回りの観点から考えると投資信託に及ばない。

保険商品に対するコメント

商品戦略

ソニーライフ・エイゴン生命は、ソニー生命保険株式会社とエイゴン・インターナショナルが50% ずつ出資する合弁会社である。

商品ラインナップは変額年金保険のみであり、ソニー生命が保険代理店としてソニーライフ・エイゴン生命の商品を販売している。

ソニー生命保険のほか、三井住友生命や東京スター銀行なども取り扱っている。営業開始は2009 年とリーマンショック以降であり、各社が変額年金保険の販売を停止した時期に、変額年金の取り扱いを開始したことになる。

年金原資に最低保証をつけたタイプの商品も販売しているが、現在取り扱われている商品はすべて、市場環境に応じて安全資産の割合を調整することにより、特別勘定のリスクを一定割合以下に抑えるタイプの商品になっている。

このタイプの運用手法は、最近の減額年金保険の主流になっているものであり、ブラックロックのリスク・バジェッティングに運用スタイルの源流をたどることができる。リスクが高いときにリスクを引き下げるという方法は、消費者にも受け入れられやすいし、募集人にも説明しやすいものであろう。

ポートフォリオの個別の特別勘定はステートストリートやブラックロックといった、パッシブ運用に定評のある運用機関が担当している。販売はソニー生命に委ね、運用は世界的な運用機関に委ね、ソニーライフ・エイゴン生命は商品提供に特化するという商品戦略になっている。

商品分析

ウィズファミリーは、ソニー生命専用の商品である。

これは意図して専用商品にしたのか、ほかに代理店がいないので結果的に専用商品になったのかは明らかにされていない。

商品の特徴のポイントは、次の2 点である。


  1. 年金額は定額で運用成果が上がれば増加する

  2. 死亡した場合、それまでの受け取った年金額の累計額と死亡給付金を加えると、一時払保険料より少し多い金額がからなず必ず受け取れる仕組みになっている



運用については、ほかの変額年金保険同様、市場環境に応じて安全資産の割合を調整するしくみが導入されている。

生命保険の募集人には、年金額が定額であり、増えることはあっても減ることがなく、さらに、死亡しても損しないという点が受け容れられると思うが、投資信託と比較してみるとこの保険の高コスト体質がよくわかる。

この保険が投資信託を上回るパフォーマンスを挙げるケースは、運用環境がずっと低迷し続けた場合であろう。

この場合、死亡保障に最低保証がついているため一定の返戻率を確保できる。

つまり、運用の成果が積立金に反映されるが、運用がうまく行かない場合でも死亡したときには元本割れを防ぐことができる変額保険(終身型)と同じような商品性になっている。

保険契約者は、運用商品というよりも、早期に死亡しても損失を被ることのない死亡保障の付いた年金保険と考えるとよいのではないだろうか。

【比較した条件】
変額年金保険:ウィズファミリー
一時払保険料 100 万円
契約年齢 50 歳 10 年間 据え置き後 60 歳から年金受取り開始

投資信託:セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド
投資金額 100 万円
投資開始年齢 50 歳 10年間据え置き後 60 歳から毎年変額年金と同額を取り崩す


2012年9月








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この情報は公開情報と独自調査によります。発売元保険会社のパンフレットや約款等によりご確認ください。


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