200606 平成17年度生命保険会社決算分析
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200606 平成17年度生命保険会社決算分析

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平成17年度生命保険会社決算分析

大地一成の一刀両断…目次

平成17年度生保決算分析!



■ 現在、日本で営業している生命保険会社は38社ある。5月29日に国内生保7社(太陽生命と大同生命は5月17日に発表済み)を中心に生保決算が発表され、全生保の決算が出揃った。

契約者や保険関係者は、その中身を翌日の新聞報道で概要を知ることになるが、最近は生命保険協会あるいは各生保のHPでも翌日くらいにはアップしているため、詳細を知ることが出来る。

とはいえ、生保にもよるが数十頁から資料等を含むと雄に100頁を越す発表内容を丹念にみることは時間的にも厳しい。そこで、個々の生保の決算を読み取るための「簡単で的確な生保決算の見方」を解説してみる。

■ その前に、17年度決算の新聞報道は翌日の5月30日に掲載された。しかし、全国紙等の記事を見て、契約者は当然として保険業界関係者ですら、生保各社の現状を読み取ることは困難だったと思われる。

もちろん紙面の関係上、話題性が高い項目やトピック的な項目を優先させる必要性からやむを得ない点はあるが、最近の「基本業績項目」をないがしろにした生保決算記事には疑問を感じる。

例えば今回から「(新契約・保有契約)年換算保険料」が開示項目に取り入れられたが、この意味不明の”換算保険料”を大きく取り上げた新聞もあったが、果たしてそれが生保の何を意味するかを説明出来る経済部記者がどれほどいるか甚だ疑わしい。

■ 基本的な分析の仕方としては「新契約・保有契約」などの『契約業績』と、生保資金の動向をみる「保険料等収入・保険金等支払金」などの『財務諸表』の両面から入り、必要に応じて細部を分析していくのがオーソドックスな手法だ。

これらの業績に「ソルベンシー・マージン比率」や「格付け」などを参考として加えれば、その生保の概要はほぼ把握できる。大事なことは、一つの業績でその生保全体を評価すると、群盲象を撫でる愚を犯しやすいから要注意だ。


そこで、主要業績項目として「@総資産・A保険料等収入/保険金等支払金(解約返戻金)・B新契約高(個人保険)・C保有契約高(個人保険ーT)・D保有契約高(個人保険ーU)E新契約高(個人年金)F保有契約高(個人年金)G有価証券時価情報H経常損益Iソルベンシー・マージン比率J価格変動準備金・危険準備金」の11項目をまず分析したい。当然のことながらこれに「格付け」評価が加わる。

【@:総資産】

● 「総資産」とは、生保が保有する資産を表し、「貸借対照表」の「資産の部合計・負債及び資本の部合計」である。もちろん、「資産の部合計=負債及び資本の部合計」となる。

余談だが、2002年度の「生命保険ファクトブック」(当時の「生命保険文化センター発行」)に掲載された全生保の「貸借対照表」は「資産と負債及び資本」の金額が異なっていた。もちろん、誤りである。

● 毎年の「総資産」を単純比較するのは「時価会計導入」等で正確ではない、とする説もあるが、大枠を知る上では「貸借対照表」に付記された「会計方針や注意事項」を読み解きながら各社比較をするまでの必要性はない。ということを前提に解説をすると、「総資産ベスト10」は以下の通り。

1

日本

50兆5,425億円

2

第一

32兆4,866億円

3

明治安田

26兆5,122億円

4

住友

22兆4,092億円

5

三井

8兆1,407億円

6

太陽

6兆5,919億円

7

大同

6兆4,061億円

8

朝日

6兆3,378億円

9

富国

5兆6,843億円

10

アリコジャパン

5兆5,349億円



● 特筆すべきは「日本・第一・大同・富国」の国内生保が、総資産額新記録だった点だ。

その要因は「保険料増あるいは有価証券の含み益増(特に株式)」などだが、この4社は、戦後の生保破綻が始まった平成9年度末の「総資産額」を超過している。

参考増加率は「富国32.1%、大同19.8%、日本19.7%、第一13.3%」という数字だ。逆に同じ期間の参考減少率は「朝日47.9%、三井25.3%、住友5.5%、太陽3.4%、明治安田0.0%」だ。

もちろん「総資産」だけで生保の好不調を決めつけるのは早計だが、国内生保の一部生保では、いわゆる「筋肉質の経営体力」を保有し始めたと読み取ることができる。この増加傾向が今後も続くようなら、17年度末の「総資産」実績が『完全復活の狼煙(のろし)』となったことになる。

● 38社全体では、16年度末の「総資産対前期割れ生保数が9社」だったのに対し、17年度末は「4社」と大幅に減った。

ただ、手放しでこれを評価できないのは「総資産が増加した理由」である。真水となる「保険料収入増」がその要因ならその傾向が継続することで総資産は増加することになるが、もし「株価の上昇」などによる場合は、他力本願となり今後の総資産増は確実視出来ない。

● 17年度決算が発表されたばかりだが、18年度の「総資産順位」を予測すると、国内生保9社の牙城を、17年度末で10位にランクされた「アリコジャパン」が、9位にランクアップする可能性が高い。

また13位の「ハートフォード」が11位の「アメリカンファミリー」12位の「アクサ」に肉薄あるいは抜く可能性がある。但し「16位:AIGエジソンと20位:AIGスターの合併」により、両社を併せた総資産は4兆3,594億円であることから、その進展度によっては、11位から14位の順位は混沌としてくる。

「プルデンシャルと三井住友海上メットライフ」の2兆円突破がほぼ確実視されることから、17年度末の2兆円台生保数18社は、19社に増加(AIG2社の合併で生保数が1社減るため1社増加)する見通しだ。


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