200404 「ムダをカット!保険見直し!」は、ちょっと待った!
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200404 「ムダをカット!保険見直し!」は、ちょっと待った!

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「ムダをカット!保険見直し!」は、ちょっと待った!


■保険金年金払型・逓減定期保険

最近のマネー誌で「生命保険のムダ」というフレーズをよく目にする。つまり生保セールスに言われるがままに加入した結果、不必要なまでの高額保障とその保険料を支払っている契約者が多いこと、さらにこの経済環境の悪化で支払う保険料を出来るだけ少なくしたいという契約者ニーズにマッチして関心度は高い。

そこで個々の「生活設計」をもとに『必要保障額』を弾き出してみると「そんなに多額の保障は必要ない!」という訳で、今や「保険料カット」がトレンドにすらなった雰囲気がある。さらには『必要保障額』は、末子の成長とともに逓減していく仕組みから、契約そのものが保障額が保険期間の経過とともに逓減して行く仕組みの「保険金年金払型・逓減定期保険」が”合理的な保険の入り方”として盛んに推奨され始めてきた。

つまり、「生活設計」を計算すると最低3,000万円の保障があれば夫が亡くなっても以降の生活に支障はないと判断された場合、仮に5,000万円の死亡保険金の生命保険では差引2,000万円が不必要、ムダな保障額という理屈だ。もちろんこの2,000万円に掛かる費用(=保険料)は無駄な負担と言うことになる。そしてさらには加入から満期まで3,000万円の保障額が続くことは、末子の成長とともに「必要保障額曲線」が逓減していくことから契約そのものが保険金総額が契約と同時に逓減していく仕組みの「保険金年金払型・逓減定期保険」が、一部生保で盛んに囃し始められた。

確かに「転換」制度を使いニーズのない高額保障を大量販売してきたのはこれまでの生保の事実である。とにかく高額保障を販売することが”生命保険の美徳”とされてきた。その意味では個々の生活設計に出来るだけ沿った「生命保険販売」は時代の要請とも言える。しかし、その延長線上に保険料をさらに低廉化したいがための「保険金年金払型・逓減定期保険」を誰彼となく販売することには要注意だ。

実はこの「保険金年金払型・逓減定期保険」には、契約時の生活設計からは見えにくい「人生の不確実性」に対応できないあるいはしにくい「落とし穴」が隠されているからだ。

■ 確実に減り続ける保障額!

契約時の説明では、少ない保険料で生活設計にマッチした高額な保障が得られると思われがちだ。しかしこれはあくまでも「早期死亡した場合」であり、保険金額は契約の経過とともに確実に”逓減”していく。確かにこれは一見すると「生活設計」から計算した「必要保障額」に応じた保険設計と思われなくもない。しかし、加入した契約者が実際次のような事態に陥った場合、どう対処すれば良いのか、多いに疑問と不安が残る保険選択なのだ。

(1) リストラや会社倒産等で保険料支払いが困難となったとき。
あくまでも契約時の「生活設計」は、その時の生活水準が維持された場合の『仮定』のシミュレーションに過ぎない。5年後、10年後、20年後さらには30年後を現在の生活基盤から「予測」するとこうなる、というものだ。もちろんそこには約束されたものは何もない。当然、長い人生には予期せぬ事態が待ち受けていることが少なくない。

例えば、リストラや企業倒産等で契約時の収入を期待できなくなる事態は、おうおうにして考えられる時代だ。もし、そのようなとき「保険金年金払型・逓減定期保険」をメインに保険商品設計をしていた場合、保険料支払いが困難になると保険料支払猶予期間の経過とともに「失効」(保険の効力を失う)することになる。つまり、万一の場合にはそれなりの効果が期待できてもこのような「人生のアクシデント」には極めて脆弱な生命保険商品なのだ。しかも余談だが、定職を失ってから少額の生命保険に加入しようとしても「無職」では民間生保の場合すんなりと加入させてくれる生保は少ない。となると、このj保険をメインにしたがために”定職がなく保険もない”悲惨な状態に陥る可能性が極めて高くなるのだ。

(2) 契約途中で「病気や大けが」をした場合。
(1)のケースは、それでも次の定職が早々に見つかるという可能性もある。しかし、絶望的なのは「病気や大けが」の場合だ。もちろん、勤務している企業の手厚い保護があればじっくり時間を掛けて復帰することも可能だ。ところがそれは企業のマインドと病気や大けがの程度で大きく変わる。

たとえば、長期療養を余儀なくされる病気や大けが、あるいは回復が難しい大病などの場合、残念ながら自己都合退社の選択をせざるを得ない場合も充分に考えられる。ある程度の社会保障に期待はするものの、収入減は避けられない。となると、生活環境は一変する。当然それまでに蓄えた預貯金は減る一方で生命保険加入時に立てた「生活設計」は、実質「破綻」する。

しかも、収入減に伴い、支出の見直しは避けられない。(1)でも説明したように「保険金年金払型・逓減定期保険」の保険商品は、保険料支払いが途絶えたらその保障機能は効力を失う。仮に保険料は何とか支払えたとしても「毎年減り続ける保障金額」に頭を抱えることになりかねない。同額の保険料を支払いながら保障金額が毎年減り続ける現実は、契約時は絵に描いた餅と考えていてもその保険金額が現実的になることで、看病する側も看病される側も「いたたまれない心境になる」可能性は極めて高い。

2004.4.大地一成








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