200407 死亡率の考えと責任準備金
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200407 死亡率の考えと責任準備金

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AAA−本音のアドバイス…目次

さて、前回は責任準備金の計算の所までようやくたどり着きました。ちょっと言い忘れていた大事なことがあるので、今回はその補足をしなければなりません。生命保険はあらかじめ資産運用の利回りや死亡率などを仮定(予定)して保険料を計算します。当然、実際の、現実の利回りや死亡率は予定していたものと異なります。その時どう考えるか、というのがポイントです。

死亡率についてのいくつかの考え方


死亡率の予定が今年、1000人に対して10人死亡する(死亡率1%)、来年は 990人に対して11人死亡する(死亡率1.11%)、だったとします。

これに対して今年実際に死亡したのが1000人に対して9人しかいなかったとします。来年の死亡率の仮定として、どのように考えればいいのでしょうか。

今年10人、来年11人死亡する予定の所、今年は1人少ない9人しか死ななかったんだから、その分来年は1人多い12人死んで、死亡率は1.21%になる。こんな考え方があります。

今年10人、来年11人死亡する予定の所、今年は1人少ない9人しか死ななかったんだから来年も死ぬのは1人少ない10人で、死亡率は1.01%になる。こんな考え方があります。

今年の実際の死亡率が多少予定からずれた所で、そんなことで来年の死亡が左右されるものではない。来年の死亡は当初の予定通り11人で死亡率は1.11%だ。こんな考え方もあります。
皆さんはどの考え方がお好みでしょうか。

生保ビジネスの考え方


生命保険のビジネスの考え方は、3番目の考え方を採用します。すなわち今年の実際の死亡数の振れは来年以降の死亡率には影響しない、ということです。

このように考えると、今年の死亡数が1人少なくて生き残った人数が1人多くても、その逆に今年の死亡数が1人多くて生き残った人数が1人少なくても、その生き残った人数に対して来年死亡する人数の割合は変わらない、ということです。

言い換えれば今年の末に生き残った990人に対する責任準備金も、今年の末に生き残った991人に対する責任準備金も、あるいは今年の末に生き残った989人に対する責任準備金も、1人あたりの額は同じだということです。

前回はこのあたりほとんど議論しないまま、1人あたりの額は変わらないに決まっているというような書き方をしてしまいました。実は厳密にはこのような考え方から、年末に生き残っているのが何人であろうと、1人あたりの責任準備金を計算し、それに人数を掛ければ全体としての責任準備金が計算できるということになるわけです。

となればその1人あたりの責任準備金を計算するために、死亡(も利回りも)が全く予定通りにいったとした場合の全体の責任準備金を計算し、それを予定通りに生き残っている人数で割ってやればいいということになります。

ここで死亡について言ったことは利回りについても同様です。今年の実際の利回りがいくつになっていようと、それにはかかわらず来年以降の利回りは当初予定していた通りだという前提で、1人あたりの責任準備金を計算することになります。

それでは実際の死亡率や利回りは何の役にも立たないのかということになりますが、これは予定していた率と実際の率との差の一部を契約者配当で還元したり、あるいは実際の死亡率が予定した死亡率と比べて常に安定的に低い(高い)水準にある場合に、予定死亡率自体を見直すという場合に利用されます。1年1年の予定と実際の差異は直接的には責任準備金の計算には影響しません。

このように考えると1人あたりの責任準備金の計算はそれほど難しいものではありません。しかし、実際の計算のやり方には2つのまるっきり異なるアプローチがあります。同じ1つの1人当りの責任準備金を計算するのですから計算結果は当然一致するのですが、そのアプローチの仕方で計算される責任準備金の意味合いが違ってきます。

すなわち過去法の責任準備金と将来法の責任準備金と呼ばれるものです。次回はそのあたりの説明をしましょう。






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