水戸功一の約款研究…目次
特定の疾病を保障する保険として、当時の協栄生命(現ジブラルタ生命)が昭和41年10月に、悪性新生物だけを対象として、交通災害を組み合わせた入院給付を行う商品化を販売しました。そして、昭和49年10月に営業免許を受けたアメリカンファミリー生命が、日本支社として開設され、同年11月より「ガン保険」を発売したのです。
がんのイメージとして日本では、大変に疑問視されており、この常識に反して商品化されたことでの背景には、数カ国での経験にもとづくものがあり、日本に進出したようです。
また、「ガン保険」の当時の内容は、ガンによる入院、死亡を対象とした無配当終身保険とした点においても画期的なものでした。
また、販売方法でもユニークで、無配当であり、ガンのみを扱う給付に限定することで、保険料が極めて低廉なこともあり、大変意な注目を集めました。
更に、無診査を原則として商品化したために免責期間として3ヶ月間を設けたものです。この時点で、特定の疾病とした入院給付商品を消費者が望んでることが明らかになったことで、特定疾病入院保障商品に着手したのです。
ただ、当時の行政方針があったため、新たな商品を開発つるにあたり限定とした商品は認められず、「ガン」を包含した「成人病」に取り組むことになるのです。では、何時もの如く、各社の約款について「支払い」を定義する箇所を抜粋しました。今回のタイトルは、是非自社の約款をつき合わせ、検証して頂きたいと思います。
○がん給付金の支払 「平成16年4月作成」 ソニー生命
被保険者が、がん給付の責任開始以後の保険期間中に、次のいずれにも該当する入院をしたとき、がん給付の責任開始期以後に初めて診断確定された、がんの治療を直接の目的とする入院 1.入院給付金日額にがん治療を直接の目的としてがん給付の責任開始以後の保険期間中の入院日数を乗じた金額、また、入院については、がんの治療を直接の目的とした入院日数に含めて規定を適用します。 (1)がん入院給付金の支払事由に該当する入院中に、がん以外の疾病または傷害の治療を開始し、入院を継続した場合で、そのがん以外の疾病または傷害の治療を開始した日以後の入院日数のうち、がんの治療を目的としての入院と会社が認めた入院日数 (2)がん以外の疾病または傷害による入院中に、がんと診断確定された場合、そのがんの診断確定日以前の入院日数のうち、がんの治療を目的とした入院と会社が認めた入院日数
○給付金等の支払「2004年4月作成」 アメリカン・ファミリー生命
入院給付金日額×入院日数(がん治療を直接の目的とした入院日数とします。) 被保険者が、がん以外の事由によって入院をし、その入院中にがんと診断確定をされた場合には、がんの治療を開始したと会社が認めた日から、がんの治療を直接の目的とする入院を開始したものとみなして取扱います。
○給付金の支払「平成17年6月作成」 AIGエジソン生命
責任開始前にガンと診断確定されたことのない被保険者が責任開始以後の保険期間中に次のすべてに該当したとき (1)責任開始期以後に初めてガンと診断確定されたこと (2)責任開始期以後に診断確定されたガンの治療を直接の目的として入院したこと 3、被保険者が、ガン以外の事由による入院中に、ガンと診断確定され、そのガンの治療を開始したものと会社が認めたときは、その治療を開始した日からガンの治療を直接の目的として入院を開始したものとみなします。
○給付金の支払 「2005.3」 三井住友きらめき生命
被保険者が保険期間中に次のすべて満たす入院をしたとき その被保険者のガン給付責任開始期以後に初めて診断確定されたガンを直接の原因とする入院であること、また、がんの治療を目的としている入院であること (1)被保険者が、がん以外の疾病または傷害による入院中にがんと診断確定された場合、そのガンの治療を開始した日からそのがんの治療を目的として入院したものとして規定を適用します。 (2)被保険者が、がん以外の疾病または傷害の治療を開始し入院を継続した場合には、そのがん以外の疾病または傷害の治療を開始した日以後の入院日数のうち、がんの治療を目的とした入院と会社が認めた入院日数について規定を適用します。
「ガン保険」発売後、昭和50年代後半以降、医療保険の単品商品の商品化が加速、起動役を担ったことが伺えると思います。
さて、本題に戻ります。各社の支払要件とした条項を抜粋しました。
如何でしたでしょうか。「がん保険」の支払要件として挙げる各社の解釈が条文から汲み取れることでしょう。
まず、1.「がん以外の疾病または傷害による入院中に、がんと診断確定された場合、そのがんの診断確定日以前の入院日数のうち、がんの治療を目的とした入院と会社が認めた入院日数」2.「がん以外の事由によって入院をし、その入院中にがんと診断確定をされた場合には、がんの治療を開始したと会社が認めた日から、がんの治療を直接の目的とする入院を開始したものとみなして」
3.「ガン以外の事由による入院中に、ガンと診断確定され、そのガンの治療を開始したものと会社が認めたときは、その治療を開始した日からガンの治療を直接の目的として入院を開始したものとみなして」4.「がん以外の疾病または傷害による入院中にがんと診断確定された場合、そのガンの治療を開始した日からそのがんの治療を目的として入院したものとして」
3つに分類できます。一つは「その治療を開始した日から」とする条文、また「その診断確定日以前の」とし、一方では「会社が認めた日から」と分かれました。まず、疾病の「入院」とする概念とは、「医師による治療が必要であり、かつ、自宅等での治療が困難なため、常に医師の管理下において治療に専念すること」と約款では定めています。「がん」とは包含した疾病での疾患にあたりますので、各社の条文を鑑みた場合、1番目の条文がもっとも適切であろうことが判明します。
「約款」は、神聖なる契約書なのです。
但し、読まずして「約款」の拘束力として「自己責任の原則」とすることが契約です。生命保険を選別、吟味することが大切です。
ですから、「約款こそが、必達アイテム」であると。 2006.9.
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