水戸功一の約款研究…目次
「リビング・ニーズ特約」は、平成4年7月21日制定とあります。
発売当初、各保険業界に波紋と話題を呼んだ内容は「死亡保険金または一部について被保険者が余命6か月以内と判断されたとき」死亡保険金を支払うというセンセーショナルな条項でした。
各生命保険会社では、取り扱うべく体制と対応による問題も含め、既契約に対応「出来る、出来ない」とした問題が生じたことでも話題が尽きない条項でした。当初、専門筋のはなしでは、行政側との折衝に付いて「時期尚早」との判断とする見解の相違があり、余命6か月とした理由などを医師団に対して陳情と説得巡業をこなし、業界全体への根回しと、「四面楚歌」から勝ち取った名誉ある条項でもあるのです。「契約条項」とした場合、「約款」に盛り込みことはご存知の通り主務官庁への規制に則り、初めて盛り込まれることになるのです。
発展と販路の拡大に起用する生命保険商品こそ、生命保険会社の存命・繁栄とした「要」であることは当然のことですが、必要不可欠な要件として「約款」にも記載されるのです。
さて、「リビング・ニーズ特約」は、生命保険を販売する上で、非常に意義ある条項として、現在なくてはならない条項となりました。
保険料は、一切掛かりませんので選択を「する、しない」だけで付加することが出来ます。また、請求額(指定保険金額)に対し、一定の保険金に対して非課税枠を設けております。
現在、「インフォームド-コンセト」が進み、承諾、選択、権利とする概念が浸透してきた現在、最善の治療行為としての「生きる費用」としても意義ある特約ではないでしょうか。
では、何時もの如く、条文を抜粋して検証したいと思います。
○特約の保険金の支払および請求 「クレディ・スイス生命」「2005年4月改訂」 この特約の保険金の支払に際して、指定保険金額から、会社の定めるところにより、この特約の保険金の請求日から6ヶ月間の指定保険金額に対応する利息および保険料相当額を、また、貸付金がある場合にはその元利合計額を差し引いて支払います。
○特定状態保険金の支払「平成17年6月作成」 東京海上日動あんしん生命 特定状態保険金の金額は、会社の定めるところにより、主契約の死亡保険金額のうち、特定状態保険金が指定した金額(以下「指定保険金額」といいます。)から、会社の定めた方法で計算した特定状態保険金の請求日から6ヶ月間の指定保険金額に対応する利息および保険料に相当する額を差し引いた金額とします。
○保険金の支払 「平成17年3月作成」AIGエジソン生命 この特約の保険金の支払に際しては、会社の定めるところにより、この特約の保険金の請求日から6ヶ月間の請求保険金額に対応する利息および保険料を、また、主契約の普通保険約款に規定する貸付金がある場合には、その元利合計額を差し引いて支払います。
○保険金の支払と請求 「2005年9月版」 プルデンシャル生命 この特約の保険金の支払に際しては、会社の定めるところにより、余命期間相当分の利息および保険料を、また、貸付金がある場合にはその元利金を差し引いて支払います。
この条文は、余命6ヶ月以内と判断された日を請求日としてその時点のリビング・ニーズ保険金額は減額され、その後6ヶ月分のリビング・ニーズ保険金(指定された金額)に対応した保険料相当額と6ヶ月分の利息分が差し引かれ保険金として支払われます。と規定しております。
ですから請求日より6ヶ月後までの保険金を。但し、6ヶ月後に被保険者が存命していなくても清算は出来ません。あしからず。
保険会社では、逓増定期保険、低減定期保険、収入保障保険など、リビング・ニーズを付加した場合では、6ヶ月後の死亡保険金及び年金の原価を定め、支払いの対象としております。
併せて、自社の取扱いとする保全マニュアルから付加価値の高い販売話法としてご活用ください。
最後に保険期間満了日の1年以内である場合には、リビング・ニーズ特約の保険金は支払われません。くれぐれもご注意ください。
2006.9.
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