学資保険の基本型

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学資保険はこんな保険です。

見本を見てみましょう。なお実際には存在しない保険商品ですが、実際の保険とよくにたシンプルなものを設定しました。




まず「学資保険」から

子供が生まれたとき、すなわち子供が0歳のときに契約しました。親は毎月10,000円の保険料を子が18歳になるまで支払い続けます。

子の契約年齢は0歳である必要はありません。0歳から10歳ぐらいまで多いようです。また出産前でも可能なことが多いようです。

この契約では子供が12歳のときに20万円、15歳の時に30万円の祝い金が保険会社から支払われます。 12歳は小学校卒業で中学校入学、15歳は中学校卒業で高校入学です。この祝い金は、新しい学校に進むときの学資として使えます。受験費用や入学金、新しい制服代といったものにお金がかかります。もちろんお祝いで家族旅行しても一向に構いませんが。(祝い金支給額や支給年齢は保険商品により大きく違います。)

そして18歳のときに満期金150万円が支払われて契約は終了します。18歳ですから高校卒業で大学入学です。大学の受験費用や大学の入学金に使うことができます。もちろんこれも使い道は自由です。そのまま貯金してもかまいませんし、飲み食いしても自由ですが。


学資保険の損得勘定

さてこの保険の損得勘定を見てみましょう。

18年間の総支払い保険料はいくらになるでしょうか。10,000円×12ケ月×18年=216万円です。一方で受取った祝い金と満期金は合計で200万円(=20万円+30万円+150万円)です。「元本割れ」です。銀行の定期預金にしていれば多少の金利が付くし元本割れはありません。しかし払った保険料の92%(=200万円÷216万円)となり元本割れなのです。

つまり、親が18歳まで何事もなく元気だったならこの学資保険は「損」な保険なのです。

では、子が6歳のときに契約者である親が死んだと考えましょう。そうするとこの学資保険はそれ以降の保険料は免除になります。つまり保険料の支払いは不要になるのです。しかし保険料の支払いはしなくても、保険会社との当初の約束通りの祝い金と満期金の全てを子が受取ることができます。

6年間に親が払った保険料は10,000円×12ケ月×6年=72万円です。しかし子は合計200万円の祝い金と満期金を受取れます。親がいないまま中学進学、高校進学、大学進学をするに際しては大いに役立つお金となるでしょう。

子が6歳にならずとも、保険契約が有効ら成立したならば、契約の保障が開始したその翌日に親が亡くなったとしても、その後の保険料の払い込みは不要のまま子は祝い金と満期金を受取ることができます。

だから、「幸せなことに」親が契約満了まで無事に生きていた場合には「元本割れ」するのです。親を亡くした子どもたちのために、保険会社は保険料なしでも祝い金や満期金を支払います。その負担を、すべての学資保険の契約者が貯蓄よりも高めの保険料ということで負担しているのです。

なお親が死んだ場合の保険料免除については死んだ場合だけでなく高度傷害の場合も免除になるものが多く、商品によっては要介護その他一定の状況が長期間続いたときも免除になる商品があります。逆に特約として付加している場合に限って死亡により免除になるものもあるようですので確認しましょう。元本割れしない学資保険もあります。




次に「育英年金付学資保険」です。




保険料は前の学資保険よりチョッと高くて毎月12,000円です。親が契約満了まで死なずに生きていたならば「学資保険」と同じです。18年間の保険料総額は259万円(=12,000円×12ケ月×18年)。しかし受取る祝い金と満期金とは合計で200万円(=20万円+30万円+150万円)ですから、「元本割れ」ですし、これ程のになると「元本割れ」というよりも「大損」というべきでしょう。

しかし「育英年金付学資保険」の場合には、契約途中で親が死んだ場合の保障が、前記の単純な学資保険よりも厚くなっています。親が亡くなったなら、その後の保険料の払い込みが不要になりそれでて祝い金を受取れるというのは学資保険し同じです。更に、子への育英年金として毎年25万円が保険会社から支給されます。学資の補助としてはありがたいものでしょう。(育英年金の額は商品により全く違います。)

育英年金付学資保険の損得勘定

保険料12,000円と上記の単純な学資保険の保険料10,000円との差額の月2,000円の負担が育英年金のための保険料です。そしてこの部分は親が元気だったなら掛け捨てとなって全くかえってこないものです。そしてこの保険料は、同じ保険に契約して親が亡くなった子の育英年金のために使われているのです。

この育英年金があり育英年金のための保険料負担があるために、「幸せなことに」親が契約満了まで無事に生きていた場合には「元本割れ」どころか「大損」となるのです。

「預金等の資産がたくさんあるから、いつ自分が死んでも子供の学費ぐらいは困らない。」のであれば経済的には学資保険は不要です。契約することをお勧めはしませんが、このような方でも、経済的にではなく「おまじない」として、また「親になった気持ちとして」という方は別の目的として有効でしょうけれど。

でも毎日毎月せっせと働き続けないと子の授業料が払えないという親にとっては、、幼い子の笑顔に応えるためには、結果的に「元本割れ」であろうとも「大損」であろうとも有効なものに間違いありません。

なお、期間満了前に、親ではなく子が死んだときには、それまでに払い込んだ保険料の合計相当額が保険金として戻ってくる商品が多いようです。

また保険会社の運用次第で配当金がつく仕組みの商品が多いのですが、近年の実績として低金利時代においてはほとんど付きませんでした。

子供保険・学資保険での注意点…課税と扶養


あらためて学資保険の仕組みを復習してみましょう。





学資保険の注意点…貯蓄性と医療保障



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貯蓄性についての注意点

学資保険は貯蓄に近いものですから利回り(払った保険料の100%もどるか、90%戻るか等)が気になります。しかしそれは育英年金や医療特約が付加されると大きく低下することになります。保障が付くのですから当然です。比較する場合は他の条件に留意ください。

また保険料免除や育英年金支給の基準について、親の死亡・高度障害だけでなく「所定の要介護180日継続」といった場合ににも保険料免除や育英年金支給となるものがあります。このあたりからも微妙な差が生じます。また長期間祝い金の無い商品ならば保険会社にとって運用期間が長いのですから運用がよくなるはずです。逆に6歳祝い金等の幼い頃に支給額がある場合には運用期間が短くなり運用ができずに利回りに差が生じてしまいます。

当サイトの各保険商品のページに「何%」「何倍」と表示してありますので参考にしてください。払った保険料の何%が祝い金と満期金とで戻ってくるのかを計算しています。100万円払って95万円が戻ってくるのなら95%です。育英年金の付かない学資保険であれば90%から110%ぐらい、育英年金付の学資保険では70%から90%ぐらいが多いようです。

生命保険には有配当保険と無配当保険とがあります。ほとんどの商品が有配当保険ですが、一部に無配当保険もあります。有配当は多少保険料は高いものの、保険会社の運用がよければ配当金がつくものです。一方で無配当保険は保険料は多少安いものの将来の配当金は無いものです。無配当保険と有配当保険の例です。次のように表示されています。





過去の低金利時代は配当金はほとんどありませんでしたが、長い期間では分かりません。低金利下での長期間運用商品は有配当のほうが望ましいと思います。無配当保険だと現在の低金利が長期間にわたって固定されてしまいます。



子の医療保障について

学資保険に「子の医療保障」が付いている商品や、「子の医療保障」を特約としてつけることができる商品もあります。例えばこんな特約です。次のように表示されています。





子でなく一家の大黒柱が入院したときのためには相応の保障は考えないといけません。大黒柱が長期入院すれば家計はズタズタになります。必要なのは親の医療保障死亡保障と子の医療保障とどちらの保障なのか…親の死亡保障や入院保障に決まっています。限られた予算であれば、子の医療保障については割りきりが必要です。

また1日の入院給付金が5000円として30日入院なら入院給付金は15万円です。手術給付金があったとしても20-30万円でしょう。100日入院なら入院給付金は50万円です。子が長期に入院したとしても大黒柱が健在なら何とかなるかもしれません

以下は厚生労働省の「簡易生命表」の抜粋です。細かい読み方は解説しませんが、子供は0歳-2歳くらいまで死亡率が高いのですが、3歳を過ぎると急激に死亡率が低下します。これは大きな病気で入院等することも少なくなることを意味します。それに比べてお父さんお母さん世代の30代40代の死亡率がどれほど高いのか。長期入院の確率が子世代と親世代とのどちらが多いのかは分かりませんでしたが、死亡率がこのようであれば同じではないでしょうか。そうだとすれば保障が必要なのは親です。

生命表(死亡率は人口千人あたりの死亡者数)

年齢 歳
死亡率平均余命
(年)
死亡率平均余命
(年)
02.9878.532.5285.49
50.1473.850.1180.78
100.0968.900.0775.81
150.2363.940.1270.84
200.5659.050.2665.90
250.6454.220.3160.99
300.7449.390.3756.09
350.9844.580.5351.20
401.4439.820.7546.35
452.2735.141.1341.54
 
年齢 歳
死亡率平均余命
(年)
死亡率平均余命
(年)
503.5830.591.7736.81
555.8426.212.6632.17
608.9422.063.6627.62
6512.9218.115.3823.16
7021.3814.388.9318.85
7535.7811.0715.8314.80
8060.318.2329.1111.11
85100.775.9357.527.97
90163.124.23107.355.56
95239.843.05179.223.90

<厚生労働省平成17年「簡易生命表」>



データはそうだとしても、子への医療保障は考え方次第です。子の医療保障はないよりはあったほうがいいに決まっています。手元にお金が無ければ短期の入院でも厳しいという考え方があります。しかし、保険料が一定の予算内であるのならその保険料で一家の大黒柱の死亡保障や医療保険を充実させることを考えたらいかがですか。

また各自治体ごとにちがいますが幼児子供にたいする医療補助が充実してきています。小学生については医療費は負担なしという自治体もあります。自治体により随分いますが、お住まいの自治体の様子を確認してみましょう。

もし子の医療保障が必要と考えるのなら、貯蓄性を考えないといけない学資保険とは切り離して県民共済・こくみん共済・COOP共済等の安い「子供医療保障」等と比較検討してみてはいかがでしょうか。この場合の保険料は月額1000円程度からです。その後の状況によってその医療保険のみの解約も可能です。




学資保険の祝い金の支払日について

12歳・15歳・18歳、といっても祝い金の支払日が、保険契約の契約日だったりします。すると入学に際しての学費納入日間に合わなかったりもします。そのときになってみれば「そんなバカな」という事態になりますし、それは多い話です。

保険会社により柔軟性が違うようですので、気になる場合には保険会社ごとに個別に確認しないといけません。入学日等を配慮した支払い日の商品もありますし、18歳満期でなく17歳満期にすることで対応が可能な商品もあるようです。


祝い金の支給年齢と満期年齢について

保険会社によって祝い金の支払い年齢が違います。たくさんの種類があります。次は祝い金の支払いが多いものの例です。




悩ましいのは22歳満期の学資保険の22歳での満期金という商品です。

18歳満期での18歳満期金は大学に行くか、専門学校に行くか、就職するか、プーするか分からないですか、まあそのときになってみないと分からないし、仕方ないでしょう。しかし22歳の満期金は大学院のためなのでしょうか、就職のためのリクルートスーツの購入代なのでしょうか。はたまた海外への卒業旅行費用のためなのでしょうか。

12歳・15歳・18歳・20歳の祝い金や満期金が多いのですが、いつ、どのくらいの祝い金がいいのか・・・。どれがいいのか悩ましいところです。

苦しい資金繰りのなかで保険料を支払うのであれば18歳満期をお勧めしますよ。リクルートスーツ代や卒業旅行代は自分でアルバイトでもしろよ。


学資保険の選び方について

いくつかの保険商品について、まずインターネットで調べましょう。他の保障型の保険商品に比べて、どの保険会社も学資保険についてはインターネット上で詳細な説明をしています。特に、学資保険は他の保険商品に比べて通販商品が多くなっていますのでネット上での詳細な検討が他の保険商品よりは容易です。

それでも、何社からか資料を取寄せて、並べて悩んでみないと本当に納得できるものは見つからないかもしれません。貯蓄性は各保険会社により随分と違いますし、祝い金の設定等も随分違います

学資保険をきっかけにして、夫婦の保障そのものを考え直すこともいい機会だと思います。

なお、保険会社の営業マン営業ウーマンにとって、学資保険はそれほど儲かる商品ではありません。
儲かるのは働き盛り向けの保障型商品です。学資保険は「サービス」ぐらいに思っている保険のプロが多いのが実情です。もちろんお客様はお客様ですから遠慮する必要はありませんが、それが実情ですので念のため…。


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