Q&A200906 新型インフルエンザと生命保険

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Q&A200906 新型インフルエンザと生命保険


新型インフルエンザなどの世界的な猛威で生命保険の支払は大丈夫?

先日、新型インフルエンザが日本に上陸して、どんどん感染していくのを体感しましたが、これらがさらに猛威をふるい世界的な危機になった場合など、生命保険の支払いはどういう扱いになるのか気になってきました。
 というのも、生命表に基づく保険料の計算は、戦争や地震等の大規模災害による大量死にまで対応できるものではなく、保険金の支払責任が免除されるという免責事由があるからです。
 以下、その内容や、過去の支払事例から、新型インフルエンザ対応を検証してみました。

●免責事項って?


保険会社が保険金を支払わないケースというのは、モラルリスクにかかわる部分のほか、地震や噴火、津波などの天災、また戦争、クーデターその他の紛争での事故などがあげられています。

第一生命の「わが社の特色」(明治35年)の「五、保険金の支払(戦争死亡保険金支払いに関する部分のみ抜粋)」には、「戦死者の保険金は、社員総代会の議決に依り、会社の安全を破らざる範囲において支払ふこととせり」とあり、これは合理的にみえます。なお実際には、次のように、免責事項に関する過去の対応例で、会社による違いも少し出ていたようです。

●過去の対応例


・日露戦争(明治37年〜38 年)

開戦と同時に各社は会合を開き、対応を協議したが、全社統一的対応は難しく、この時期、各会社の約款では、特別保険料を徴収するもの、保険金を削減して支払うものなどその取扱いは様々でした。

最も多かったのは、被保険者が従軍するときや戦地に赴く時に、特別保険料(割増保険料)を徴収する会社。特別保険料を徴収する明治生命や帝国生命等 8 社は共同広告で割増保険料徴収を周知したという(特別保険料率はそれぞれ)。

一方、共済生命や日本生命は特別保険料は徴収しない方針。 第一生命は、創業時からの規定により、軍人・軍属の既契約については割増保険料を徴収せず、戦死者については会社の基礎を危うくする恐れのない限り、社員総代会の決議を経た上で保険金の全部又は一部を支払うこととしていた。

・スペインかぜ

大正9年までに22万人を超える犠牲者が出たが、生命保険会社は契約どおり多額の保険金を支払ったとされている。

・関東大震災

大正12年東京府・神奈川県を中心とする1府4県下で、焼失・家屋倒壊は約60万戸、死者10万人に及んだ。生命保険会社全体の支払保険金は約5,600件、700万円余にのぼり、責務を果たしたとされている。

・大東亜戦争(昭和 16 年〜昭和 20 年 )

昭和 17 年 4 月、本土初空襲があった直後、生命保険各会社は集って、無条件支払継続案と最高限度を設ける案を軸に検討し、従来どおり戦争死亡に対する無条件支払いを継続することとした。

・阪神大震災

5000人以上の方が亡くなった大惨事でしたが、保険金は全額支払われた。

以上の経緯と、いくつかの保険会社のヒアリングからも、新型インフルエンザに対して、保険会社は、免責事項として支払を逃れるのではなく、契約に従って、支払を行っていくとみなすのが一般的のようです。

新型インフルエンザの場合は、対応する担当者が出社できないなどの理由で、保険金支払のシステムなどが一時的に機能不全になるなどの問題も気になりますが、保険金が支払われないなどといった顕著な免責はないと思ってよさそうです。

2009.6.30
マネーカウンセリングネットWealth
ファイナンシャルプランナー(CFP(R))
一級ファイナンシャルプランニング技能士 吹田朝子



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