森田富治郎 第一生命会長の経営資質??第一生命

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森田富治郎 第一生命会長の経営資質??


森田富治郎第一生命会長が日本経団連副会長に。何で?


 日本経団連は新しい副会長人事を内定しました。金融界からはみずほの前田晃伸社長と第一生命の森田富治郎会長とです。

 森田富治郎会長の就任は「サプライズ人事」だそうで、御手洗日本経団連会長が第一生命の社外監査役であることもあり、御手洗会長との太いパイプが起用の背景と新聞には書かれています。
(日経金融新聞 2007.1.26.)

 そもそも相互会社の経営者に日本経団連副会長の資格はあるのでしょうか。 まあ、それはさて置き、森田富治郎氏の資質はどういったものなのでしょうか。




 この保険選びネットをスタートした頃に保険商品の比較をするのは大変でした。「生きるチカラ」「堂堂人生」「ライフアカウント」といった保険会社の一般向け商品の保険料情報等の商品情報は公開されていません。契約内容が書かれた約款も入手できません。商品の比較分析は全くできない、閉ざされた世界でした。そのために商品の比較分析のために保険設計書や約款を買い集めました。

 結局合計100万円近くも出して設計書百数10枚も買い集めました。そうしないと各社の主力商品は比較できなかったのです。

 当サイトの管理人はこのような設計書を日本で一番多く見つめた一人ではないかと思います。一般向け保険商品の情報を貪欲にあつめ、次々にネット上に公開していきました。

保険設計書の買い取り(今は買い取っていません)
例えば…生命保険比較(大手生保主力商品・定期保険)

 そういうことをしていると、消費者を馬鹿にしたようなおかしな保険商品や設計書が時折でてきます。まあそれは予想されたことでしたが、驚愕したのはそれがいつも同一保険会社なことです。「なんで、この会社だけ…」とつぶやきながら、その保険会社の商品や設計書は注意深く騙されないように見るようになってしまいました。

 その保険会社は他の保険会社と明らかに違いました。もちろん第一生命です。

 またサイトの掲示板での消費者と同社の営業員さんの声を読んで感じたことも同じ。個別問題として各社で問題が生じるのは当然ですが、やっぱりこの会社だけボロボロの時期がありました。

 なんでこの保険会社にだけ、常識外に契約者不利な商品設計とか、トホホな転換設計書とか、消費者が契約後になって「失敗した」と思いかねない商品・詐欺的な設計書が目立つのか、大いに疑問でした。

「堂堂人生のトホホな転換設計書」(不二家やパロマ並です。)
第一生命殿への転換設計書についての社長への質問状
堂堂人生(契約者ではなく保険会社のためによく考えられた商品設計)
転換制度不評につき、新たなD1の戦略




 週刊ダイヤモンド2006.4.8.号に第一生命の森田富治郎会長に対する同誌編集長のインタビュー取材記事があり熟読しました。これを読んで「なんで、この会社だけ…」と疑問が解けました。

 森田富治郎氏は1997年に第一生命の社長に就任する時に「(会社が)苦境を切り抜けるため」を具体的な「三つの柱」を立てました。(1)営業のやり方を変える(2)経営品質を高める(3)財務体質の改善。これを年がら年中口にしたそうです。

 「経済情勢の悪化で逆ザヤ問題が重なり、非常に厳しい局面であったが、やるべきことをちゃんとやれば、この苦境は必ず(会社が)切り抜けられる」。そのために生まれたのがこの三つの柱でした。

 この取材記事によれば、(1)の「営業のやり方を変える」の象徴として打ち出したのが「生涯設計」というコンセプトでした。死亡保障のみならずお客様の生涯を見ようというコンセプトの下で、商品・サービス・提案方法を開発しました。テレビのCMで年中流れていますので、多くの人の頭に「第一生命=生涯設計」と焼きついています。それが(2)の経営品質向上につながり、しいては(3)の財務体質の改善になる…。

 「生涯設計」というコンセプトは本来はとても素晴しいものなのでしょう。

 でも、この取材記事においても、ふと読み過ごしてしまうのですが、「生涯設計」というコンセプトは「経済情勢の悪化で逆ザヤ問題が重なり、非常に厳しい局面であったが、やるべきことをちゃんとやれば、この苦境は必ず(会社が)切り抜」るために「営業のやり方を変える」方法、つまり営業手段として生まれたものなのです。

 確かに別にそれ自体悪いことではないのです。本当に「生涯設計」という本当のコンセプトをやるのなら。
 
 でも、会社が苦境を切り抜けるための営業のやり方を変える手段が「生涯設計」でした。その結果が経営品質の向上に「つながった」のだとあります。「経営品質の向上」のためではなかった。

 私はこの記事を読んで初めて納得できた気がしました。

 以下はその推測ですが、なんでこの会社に「契約者の利益ではなく保険会社の利益ためによく考えられた商品設計や設計書」等が多いのか、という長い間の悩みの回答です。

 森田富治郎氏の社長就任が1997年で、堂堂人生の発売が2000年です。森田富治郎氏によって契約者の利益ではなく保険会社の利益のために舵は切られて商品開発が始まったのでしょう。また「消費者はバカ」だとでも思っているのでしょうか、あの内容のなくハデなだけのテレビコマーシャルが始まったのもこの頃でしょう。

大手生保各社主力商品の一部解約の約款比較と質問

 「契約者利益より会社利益を選ぶ」いう内容の「生涯設計」という名の一貫したトップの経営思想がこの会社に持ち込まれました。

 森田富治郎氏の(知らないのですが多分)力強いリーダーシップが、この「生涯設計」をトップダウンで、会社すべてに広めたのでしょう。そうでなければ、設計書や商品開発といったところにまで「契約者利益より会社利益を選ぶ」という同じ発想に染まることはかったでしょう。

 その経営の結果が取材記事にあるように「これをやれば必ず他社と差がついて勝てる」という予想した通りの結果になったようです。

 契約者が大事に守ってきた予定利率の高い既契約について、あんなトホホな設計書を会社として用意し、低い予定利率に転換させ、その転換後の契約はとても減額しずらい商品設計にし、10歳の子ども向けてすら死亡保険金1000万の契約をも売りまくれば、会社の財務は安定して他社と差別化はできます。他の保険会社はいくら苦しくてもそれなりに生命保険会社としての良識があります。そこまで「生涯設計」戦略をすすめられません。

森田富治郎会長 vs 日本経団連
 幼い子供が死んだら親に1000万円の死亡保険金

森田富治郎会長 vs 簡易保険
 森田富治郎氏は「簡保は有害、廃止すべき」





 第一生命は2001年に日本経営品質賞を受賞しています。保険商品の商品研究をしていて、「なんでこんな商売をする会社が日本経営品質賞なのか」と不思議で理解できませんでした。しかし、それは保険商品しか見ていなかったから分からなかったのです。

 確かに森田富治郎氏に経営力があったのでしょう、「契約者利益より会社利益を選ぶ」という「生涯設計」という名の明快な戦略を一貫して展開たことを評価されたのでしょう。今は納得しています。

2001年度日本経営品質賞 大規模部門
「『生涯設計』という明快な戦略を一貫して展開している。戦略を実現するための基幹プロセスにおいては、お客さま満足の向上をベースとして、『商品・サービス開発』『販売・維持・深耕』『アンダーライティング』『資産運用』の各プロセスが独自性を発揮している。」

 とても残念なことはこの強烈なリーダーシップが一般の上場企業でとは違い相互会社で生まれたことです。

 相互会社である生命保険会社の取締役は株主総会ではなく社員総代会で選ばれます。社員とは相互会社では保険契約者であり、全社員の保険契約についての実務を委任するために選任されるのが相互会社の取締役なのです。

 社員は、会社の利益ではなく、誠実に自分の保険のための業務を行うことをまず期待します。相互会社の生命保険会社の取締役は第一義的には利益のためでもなく社会のためでもなく契約者のために尽くすための存在です。

 公開企業での株式会社の取締役とは全く違う存在なのです。委任した保険契約者に対する忠実義務をまず果たす経営をしないといけません。そうでなければ委任した契約者に対する背任的行為になります。顧客に対し「背信的行為」となってしまうことが一般企業とは大きく違うところです。

 一般企業では詐欺的といわれるだけで済む保険設計書も、相互会社にあっては詐欺的なだけでなく社員の委任に対しての背信的行為なのです。

 転換設計書とは既に契約している既契約者(=社員)に対する提案です。つまり既に「ご契約者様(=社員)」でありその「ご契約者様」に対する提案です。その「ご契約者様」に対する「生涯設計」が、このトホホな転換設計書であり、そんな設計書を本社サイドとして営業サイドやご契約者様に提供することが「経営品質」であり「ご契約者第一主義」。まさに「生涯設計」だったのです。

「堂堂人生のトホホな転換設計書」(不二家やパロマ並です。)
第一生命さんの「経営品質」と「ご契約者第一主義」
生保(相互会社)の社員総代会「とんでも」傍聴体験記




 さて「最大かつ最強の抵抗勢力となりつつある」のが日本経団連だと野口悠紀雄氏は週刊ダイヤモンド2007.1.27.の「超整理日記」で書いています。

 個人へ所得税定率減税廃止での増税にもかかわらず「法人税減税」を推し進め、年金生活者等利子所得を重厚長大産業が奪い取り続けた低金利下、好景気になったにもかかわらず「利上げ反対」を主張し、ホワイトカラー残業代ゼロの「ホワイトカラーイグゼンプション」をおしすすめ、いざ自分たち経営者に不利な「三角合併改正案」がでてくれば強力に反対します。

 そもそも相互会社は相互会社、かつ公開企業ではありません。その経営者が日本経団連の副社長にふさわしいのか、と思うところです。

 しかし森田富治郎氏には抵抗勢力と言われる日本経団連においてこそ、各企業の「経営品質向上」と国民や全ての従業員の本当の「生涯設計」を、今度こそはちゃんと目指して欲しいと思います。

 第一生命さんには立派な人がたくさんいます。現場はまっとうです。保険選びネットの掲示板での、不躾とも思える消費者からの質問に対し誠実にお答えいただく第一生命の数多くの営業員さんには頭が下がります。中堅も若手も現場もまっとうなのです。上の指示に従っただけ。指示とおりに売っただけ。

 第一生命はその昔に富士山の麓に本社ビルをつくった理想主義的な会社でした。学生時代の管理人にとっては就職先として第一志望の会社でした。第一生命のバッチにあこがれたのです。縁なく別の保険会社に就職しましたが、ずっと好きな会社でした。ずっとファンでした。保険選びネットで、その会社や商品を批判するのは、とてもつらいことでした。たった一人の経営者がそんな会社にしてしまったようです。

 さて、現在の斎藤勝利第一生命社長にこそは、消費者と契約者のためにがんばって欲しいと思っています。




 以前は「なんでこんな会社が日本経営品質賞なのか」と不思議でした。そして今回は「なんでこの人が日本経団連副会長なのか」と不思議でした。

 でもこの人の会社の商品を批判しながら何年も付き合ってきたことで、見当が付くようになって来ました。さて、森田富治郎氏を経団連副会長にひいたのは御手洗富士夫日本経団連会長ということです。

 御手洗氏は2002年に日本経団連副会長に就任しています。そして次期の日本経団連会長の有力候補になりました。そして森田富治郎氏は2004年に第一生命の社長から会長になるのと同時に、すでに日本経団連副会長であり次期の日本経団連会長の有力候補の御手洗氏を第一生命の監査役に就任させています。きっとそれをキッカケにさらに仲良くなり太いパイプをつくったのでしょうね。

 そして御手洗氏は予想通り2006年に日本経団連の会長になり、2007年に森田富治郎氏は太いパイプのおかげで日本経団連の副会長になりました。ちなみに、御手洗氏と同時に新規に第一生命の外部監査役に就任させたのは味の素社長の江頭邦雄氏であり、江頭氏は日本経団連評議員会の副議長でした。森田富治郎氏の先を見通した戦略どおり、というところでしょうか。日本経団連の副会長就任ですから、これで国からもらえる勲章を確保しましたね。

 振り返ってみると、森田富治郎氏の社長就任は1997年で堂堂人生の発売は2000年。まだどうなるか分からなかった2001年にとったのが日本経営品質賞です。これも森田富治郎氏の勲章のひとつです。どうやって取ったのでしょうか。今回と似たようなことをやっていたのでしょうかね…。




第一生命さんは新たに品質保証新宣言をしました。

第一生命品質保証新宣言

平成19年9月15日に第一生命は105周年を迎えます。
「お客さまを第一に」
私たちは、大きく変わります。


お客さまとともに歩みつづけて105年、私たち第一生命は、
創立以来掲げてきた「ご契約者第一主義」をいま一度新しい気持ちで見つめて、
お客様のことを何より大切にするという姿勢をあらためて宣言します。


 私には、これは現在の斎藤勝利第一生命社長による過去への反省と読めるのですが、そうであれば心から応援したいと思います。新しい気持ちで見つめて、大きく変わってください。

 この新宣言の一つの項目に「私たちへのご意見やお申し出を真摯に受けとめ、そして日常の業務を常に見直し、業務プロセスを改善します。」とあります。大いに期待しています。




2007.2.3. 保険選びネット管理人 山浦邦夫


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http://www.hoken-erabi.net/seihoshohin/goods/9222.htm


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