告知義務違反と商品による告知事項の違い

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告知義務違反と商品による告知事項の違い


bird管理人の保険知識…目次

生命保険の告知義務違反
「2年我慢すれば・・・?」
住宅ローン借り換えに注意
明治安田生命は社内コラボレーションで処分へ
告知内容は保険によって随分違う
高予定利率の保険契約へも解約防止
破綻生保が再建利益を旧契約者に還元

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生命保険の告知義務違反


明治安田生命に2週間の業務停止命令です(2005.2.26.日本経済新聞)。生命保険申し込み時は告知をします。病歴や健康状態や職業等を記入したり、保険会社指定の医師に話したりします。

ここでウソをついたり黙っていたりすると商法678条です。

「悪意又は重過失により重要な事実を告げず又は重要な事項につき不実のことを告げたときは保険会社は契約の解除をできる。この解除権は…契約の時から5年経過すれば消滅する。」

5年内に保険会社に知れれば契約を解除されます。そして保険会社は各社の保険約款で5年を2年に短縮しています。明治安田生命のライフアカウント・定期保険特約の約款は以下です。

「この特約の責任開始時の属する日から2年以内に保険金の支払事由またはこの特約の保険料の払込免除事由が生じなかったときには、保険会社は特約を解除することができません。」

何事もなく2年経過すれば保険会社の解除権は消えます。

「2年我慢すれば・・・?」


これが「2年我慢すれば告知義務違反に問われず保険金がでる」との誤った理解を生み、一部のプロまでも誤解しています。

2年過ぎればバレにくくはなるでしょうが、ダメなものはダメです。保険会社の保険約款には重大事由による解除という定めがあり、期限の定めなく解除できます。また民法上の詐欺(サギ)での取消もあります。

明治安田生命では営業職員が顧客に対し、ウソ告知や不告知をするようにとの、問題あるアドバイスをしていました。

営業職員がこのアドバイスで契約させます。しかし死亡時等には保険会社サイドが、詐欺だと言って保険金を払いません。

営業職員と保険会社は立場が違います。営業職員は、無理もお客の為だと思うし、自分の成績のためにもと、こんなアドバイスをしてしまいます。

告知は微妙です。たとえば花粉症や風邪で医師から薬を処方されていたら告知すべきか。

正しい答えは「花粉症も風邪も告知すべき」です。しかし通販商品などではちょっとの告知をするとそのまま契約不成立に直結することもあります。(なお花粉症や風邪等については「告知不要」と明記している保険会社もあります。)

住宅ローン借り換えに注意


注意すべきものに団体信用生命保険「ダンシン」があります。住宅ローンに付いてくる生命保険で、死亡時には住宅ローンをチャラにしてくれます。

銀行での住宅ローン申込時に付属書類のように簡単な「ダンシン」申込書を書かされます。

健康についての告知欄があります。銀行員は保険に興味ないからアドバイスもないでしょうし、本人だってローンを借りに来ているのであり保険に入るという自覚など全くありません。

健康状態の告知で「ダンシン」がダメになれば、住宅ローンもダメかもしれず、そうなればマイホームもダメ。しかし、ちゃんと告知をしないと死亡時に告知義務違反が問われ、住宅ローンが残ってしまいますよ。

特に、住宅ローンの借り換えは注意です。借り換えに際しては「ダンシン」は新契約になります。その際に告知が必要です。

例えば、中高年になって肝臓障害をかかえての住宅ローンの借り換えは「ダンシン」の告知をも考えないといけません。借り換え見送りの判断もあります。

(以上 2005年2月28日 第534号 バードレポート)

明治安田生命は社内コラボレーションで処分へ


明治安田生命は金融庁から2週間の業務停止命令を受けました。営業職員は顧客に対し、健康状態を正しく告知させないで保険契約を勧誘しました。そして、その結果として死亡等で保険金請求がなされた場合には健康状態を正しく告知しなかったとして保険金の支払いを拒絶しています。

特に保険金支払い拒絶については凄まじいものがあったようです。

たとえ告知義務違反があったとしても支払うべきものにも支払わなかったようです。死因とは無関係の「職業」の隠ぺいを理由とする不払い。本来は問題にならない5年以上前の病気を列挙しての不払い。

他の大手生保などでの不払いは年数件から10件程度のところが、明治安田生命では2003年度に122件ありました。

告知義務違反を勧める営業サイドと保険金支払いを拒絶する本社管理サイド。意図的な悪の協力体制とはまさか思えませんが、結果的に両者の息のあったコラボレーションで金融庁の処分となりました。

(日本経済新聞2005.2.26.)


■明治安田生命への業務改善命令は「ガバナンスの改善・強化」
(追記2005.11.3.)

明治安田生命に対する2度目の業務改善命令で、同社は再度2週間の業務停止となりました。

マスコミでは「保険金支払い問題」が主として報道されています。ただ、その話は前回の業務改善命令だったのではないか、と思いました。そこで前回と今回の業務改善命令を比べてみました。




一度目の業務改善命令の一番目に書かれているのは次です。

「(1) 迅速かつ適切に保険金をお支払いする支払管理態勢を確立し、今回の不適切な保険金未払いに関する役職員の責任を明確化すること。」
以下、保険金支払いと告知についての具体的な命令が続きます。

今回二度目の業務改善命令の一番目に書かれているのは次です。

「(1) ガバナンスの改善・強化」
とだけ書かれています。
そして、次に保険金支払いについて前回とほぼ同様の内容が書かれ、最後には「業務停止命令、業務改善命令に至った問題等の原因となった役職員の責任の明確化」とまでかかれています。

つまり、今回二度目の業務改善命令は、「アホな経営者」をクビにしろというのが趣旨なのです。「ガバナンスの改善・強化」とはそういうことでしょう。

さて、これは明治安田生命の固有の問題でしょうか、それとも相互会社の問題なのでしょうか。明治安田生命のトップがいつまでも辞任しませんでした。かつこの状況下で旧明治と旧安田の派閥争いをしていたマスコミで伝わっています。

普通の上場大手企業であれば信じられないような対応です。bird発行人は明治安田生命の問題というより、根っ子は相互会社制度のような気がします。相互会社には株主もいないし、株価も気にしないでいられます。

保険会社の常識は非常識…相互会社システムがはぐくんだ「常識」
生保の社員総代会「とんでも」傍聴体験記

■明治安田生命は2度目の業務停止命令。
(追記2005.11.3.)

以前、こんなメルマガをお送りしたことがあります。
メルマガ2005.6.29.

居座り続けた金子社長は辞めます。ただ金融庁は厳しく、その程度では許しません。一番迷惑を受けたのは当事者である契約者です。そして明治安田生命1社のために信頼を失ってしまった生命保険業界全体です。

もちろん悪いのは明治安田生命です。しかし今回2度目の処分は、真面目な対応ができなかった同社経営陣の能力の問題です。なんで誠心誠意対応し1度の処分で終わりにできなかったのでしょうか。

最もやりきけなくつらい思いをしているのは真面目に営業をしてきた明治安田生命の営業の現場でしょう。本社サイドの真面目なスタッフたちも涙がでるほどつらい気持ちでしょう。遠い昔ですが国内生保での本社と支社とでの勤務経験のある当サイト管理人としては、現場の涙に共感してしまいます。

今回の2度目の処分は本社経営サイドの責任であることは論を待ちません。一人一人として自らの行いに自信のある現場やスタッフの方々は、所属する会社の行動について顧客や世間に謝罪し反省するのは当然としても、個人としての自分自身については堂々と胸をはっていただきたいと思います。

「バカな大将、敵より怖い。」

告知内容は保険によって随分違う


保険の種類により、また商品により、健康状態の告知内容に大きな差があります。「どの保険がいいのか」ばかりでなく、「自分の健康状態ではどの保険に入れるのか」まで考えないといけない時代になっているようです。告知内容について比較しました。

●明治安田生命(ライフアカウント)を含め大多数の保険契約の告知項目は次のようになっています。



●県民共済の告知内容は次のように緩いものです。



●住宅ローンの団体信用生命保険(旧明治生命の告知書を入手しました。ただし約2年前のものです。)

生命保険の告知書の告知義務比較


告知書の見本(アメリカンファミリー・EVER)



下の画像に続きます



高予定利率の保険契約へも解約防止


逆ザヤは生命保険会社の経営にとって目の上のタンコブ。かつて販売した予定利率5.5%の保険についても、この低金利下で5.5%の運用を続けなくてはいけません。契約者側では「お宝保険」と呼び、なんとしてでも解約してはいけない契約になります。

保険会社がバタバタ破綻した時期には、これらの保険について積極的に解約させた保険会社があったとうわさになりました。保険会社の経営サイドの本音ではすべて解約してほしい契約でしょう。

ある方は利率5.5%のお宝保険を何社もの保険会社で持っていました。本当に5.5%で運用されているのか心配になり、各社に電話で解約返戻金額を確認したところ、ちゃんと増えており安心します。

そのうち1社の反応が早くて、3日後には担当者の手紙とノベルティーが送られてきたとか。

保険会社の経営サイドからは消滅してほしいはずの高利率の生命保険についてもこのようにきっちりと解約防止をする保険会社も存在するのです。

明治安田生命のニュースを見ながら、この記事を見て、ホッとしました。ただ解約返戻金を電話で尋ねたぐらいで手紙が送られてくるのも面倒くさいな、と思いながらも。 (ファイナンシャルアドバイザー2005.3月号 編集後記「From Editors」より)


破綻生保が再建利益を旧契約者に還元

2000年に経営破たんした旧協栄生命を米プルデンシャルが買収して誕生したジブラルタ生命保険は契約者に600-700億円の特別配当をします。

破綻時には契約者に保険金カットや保険料引き上げの負担を強いました。

今回はこれら負担を強いた契約者に対してその損失の3割程度を補填することになります。解約した元契約者は残念ながら対象外。破綻生保が再建で得た利益を旧契約者に還元する初の事例です。

(日本経済新聞2005.2.25.)






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