外資系保険会社は大丈夫なの?

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外資系保険会社は大丈夫なの?


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外資系保険会社は大丈夫なの?
●「○○保険株式会社」と「○○保険会社」の違い
●ジャックウェルチとルイスガースナーのグローバル戦略
●青い目の日本支社長や支店長はしょせん中間管理職
●新規参入組外資の秘密主義
●政府税制調査会で問題にされた「外資」
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●「○○保険株式会社」と「○○保険会社」の違い

生命保険業界には多くの外資が参入しました。バブルの頃には、
エクイタブル生命、オマハ生命、コンバインド生命といった会社が
日本に進出して一般向けに生命保険を売りまくりました。これらの
会社はどこへいってしまったのでしようか。

最近ではスカンディア生命が東京海上のミレアグループに買収さ
れました。外資が撤退するときには生命保険契約はどこかの保険会
社が引き継いでいますので、問題ないともうえますが、契約者とし
てはたまらない不安を抱えます。

bird発行人には、20年前に「INA生命」という保険会社で契約した
医療保険があります。INA生命→INAひまわり生命→安田火災ひまわ
り生命→損保ジャパンひまわり生命保険と保険会社の名前が変わり
ましたが、無事に保障は途切れずに続きました。また外資から国内
損保大手に代わったのだから、まあ安心なほうですが、それでも契
約者としてはたまらない不安を感じます。

さて、日本の保険会社は例外もありますが「株式会社」か「相互
会社」です。例えば「○○保険株式会社」です。しかし「○○保険
会社」という「株式会社」のつかない保険会社もいくつかあります。
これは外国の保険会社の日本支店です。つまり日本法人ではないの
です。

各会社について調べようとするとこれら外国保険会社の日本支店
は、よく分からない存在です。もちろん「○○保険会社」という外
国の会社自体は日本のトップ保険会社よりもとてつもなく大きく、
格付けはAAAだったりします。

だから安心なはずでも調べるとよく分かりません。日本の支店と
しての格付けや会社の安全性をはかるソルベンシーマージン比率が
分かりません。まあ支店なのですから、なにかあれば本社が面倒見
るので大丈夫なのでしょう。

最近いろいろな保険会社を調べることをしています。外資のホー
ムページは「商品」のことはよく分かっても、「会社」のことが分
からないことが、いくつもありました。

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●ジャックウェルチとルイスガースナーのグローバル戦略

日本向けに日本の消費者に対して、責任をもって商品を販売する
のであれば、最低限、日本法人にして、日本向け・日本人向けに情
報を公開して、その上で日本向け・日本人向けに消費者満足を追求
すべきではないかと思います。

先日、シティバンクのプライベートバンク部門が日本から追放さ
れました。単純にいえば、日本でのシティバンクの経営はアメリカ
本社の顔色を伺い、日本で利益を出すことが最優先課題であり、そ
のために日本の法律や日本の消費者などどうでもいいと考えていた
のでしょう。マスコミの報道などみると、シティバンク本部の利益
目標のためなら日本の法律など無視してもかまわないといった「無
法地帯」だったようです。
(「金融行政をナメきったシティ日本戦略の本音」
金融ビジネス2004.11.)

多国籍企業が海外の支店、例えば日本支社や日本法人をどのよう
に考えているかは、功なり名とげて第一線を退いた大経営者の回顧
録が最適のようです。第一線を退いてはじめて本音が語れるのでし
ょう。日産のゴーンさんは、まだまだ日本の消費者を気にしないと
いけませんから、まだまだ本音を書けないはずです。

アメリカンエクスプレスからIBMに転じてねIBMを再生した
名経営者、ルイスガースナーは「巨象も踊る」という回顧録で本音
をズバズバ書いています。
IBMの本社から見て、外国法人はほおっておくと何をしでかす
か分からない。だから信用してはいけない、と考えていたようです。

「わたしは各地の独立王国に宣戦布告した。IBMを世界全体で
産業別の組織に再編成することに決めたのだ。」

日本IBMもこの宣戦布告の対象のひとつとなったのでしよう。
そしてルイスガースナーのIBMはシティバンクのモデルを念頭
に置いてビジネスモデルの構築をしたようです。この回顧録の中で
シティバンクのことが触れられています。

「シティバンクは地域ごとの組織から世界的な顧客志向の組織に
変わった。」

シティバンクのプライベートバンク部門の日本での惨状は前述の
とおりです。そんなになってしまうようなところがIBMの見本だ
ったのです。
(「巨象も踊る」 ルイスガースナー著 日本経済新聞)

さて次はGEのジャックウェルチ。GEの企業革命をなし遂げた
名経営者です。

「わたしはかねがね『グローバルな企業』といったものはないと
考えていた。企業がグローバルなのではない。グローバルなのは事
業のほうだ。各事業のグローバル化は、それぞれの事業のCEOが
責任をもつべきた…。」
(「ジャックウェルチ わが経営」 ジャックウェルチ著 日本経
済新聞)

ジャックウェルチとルイスガースナーの同じことを言っているの
です。

ニューヨーク本社サイドの経営論としての是非はともかくも、本
社サイドではなくローカルサイド(つまり日本支店・日本法人)の顧
客にしてみればつらいものがあります。

本社サイドの事業になじまなければ、そのローカルサイドのこと
など考えずに売却したり再編をするということですから。

ジャックウェルチのGEは日本の保険業界に参入しました。GE
エジソン生命です。

しかし、東邦生命を引き継いで1998年に生まれたGEエジソン生
命の株式は2003年にGEからAIGに売られて、AIGエジソン生
命となりました。GEはあっという間に日本の保険マーケットから
撤退したのです。GEにとってグローバルな事業としてはGEエジ
ソン生命は不要になったのでしょう。

グローバル企業にとっての日本戦略なんて、しょせんそんなもの
なのでしょうか。日本の会社はその魂が日本から離れることはない
でしよう。しかしこれらグローバル企業の日本支店や日本支社の青
い目のエグゼクティブに日本に骨をうずめる覚悟を求めることは無
理なことです。

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●青い目の日本支社長や支店長はしょせん中間管理職

日本支店や日本法人のエグゼクティブはニューヨーク本社の顔色
を伺っています。ローテーションのひとつとして日本に派遣された
だけです。日本人のスタッフだって転職経験者が多いようです。

bird発行人も転職を繰返しましたし、それは悪いことでもなんで
もありません、ただしその会社で生涯を終えようなどという考えは
強くないはずです。いい転職先があれば移っていきます。そのため
にはいい評価をうることが優先で、そのためにはニューヨークに顔
を向けている上司に顔を向けなくてはいけません。

「何でも本社の都合を優先する結果、日本の顧客や従業員は置き
去りにされます。日本でいろいろな問題が起きるでしょ。例えば品
質が悪くてお客さんに怒られると、『それはグローバルスタンダー
ドです』と言って、顧客の問題解決にあたろうとしない。
極端な話、本社の意向で突然日本市場から撤退することもある。
日本ゲートウェイやメリルリンチ日本証券などが事実上そうですよ
ね。」
(「本気で株式を公開してみろ」日経ビジネス2004.11.8.)

bird発行人の会社では日本ゲートウェイのパソコンを何台か買い
ました。まだ動いているのもあります。しかし2001年に日本ゲート
ウェイは日本から撤退しました。撤退直前に買わされてしまいまし
た。形式上アフターサービスは残したというものの、売りっぱなし
で撤退していったのです。

ユーザーとしてはたまりません。そしてゲートウェイは2004年に
あらためて日本に再参入とのことです。同社のホームページは笑わ
せてくれます。「Gatewayはまもなく日本の皆様のもとに帰ってき
ます…」と大きく書かれています。
http://www.jp.gateway.com/

ちょっと冷静さを失っての、ユーザーとしての率直な感想。
「フ・ザ・ケ・ン・ナ」「カ・エ・ッ・テ・ク・ル・ナ」。

アメリカ本社の経営者が変わる度に来たり帰ったりするのでしょ
うか。多国籍企業なんてそんなものなのでしょうか。ゲートウェイ
のパソコンは故障もせずにまだ動いています。だから商品として悪
いものとは思っていません。でも私はもう二度とゲートウェイなん
か買いません。最近は日本のメーカーにしました。日本から消える
ことはないでしょうから。

ただしノートPCだけはIBMを使い続けています。電車の網棚
から落としても壊れなかったことに感動して、ノートは一生IBM
と決めています。だからIBMさんは日本から撤退しないで下さい。
でも、「何でユーザーがそんな心配しなくちゃいけないの?。」

このようなローバル企業の体質は、頭の隅に入れておいたらいい
でしょう。もちろん日本で大きな実績をつくったアメリカンファミ
リー、アリコジャパン等のAIGグループ、それにIBMぐらいの
歴史や規模になれば、心配は不要かもしれませんが。

bird発行人個人的にはアメリカンファミリーの契約もアリコジャ
パンの契約もありますので、撤退されたらこまりますので。

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●新規参入組外資の秘密主義

新規参入組で日本法人にもせずに日本支店で営業している保険会
社についてはどうなのでしようか。

そんな保険会社の情報公開度合いを見ると日本社と違って「秘密
主義」が目に付きます。

以下は週刊週刊東洋経済の記事から引用です。

なお、チューリッヒ保険は「チューリッヒ保険会社日本支店」で
す。日本法人ではなく外国の会社の日本支店となっています。株式
会社や有限会社や相互会社ではなく「チューリッヒ保険会社」です。


「契約件数50万件を超え、ダイレクト自動車保険業界でソニー
損害保険と首位を争う『チューリッヒ保険』が2001年から02
年にかけて書類を改ざんし、保険金を不正に得ていたことが本誌の
調べで明らかになった。

自動車オーナー全員に強制加入が義務づけられている「自動車損
害賠償責任保険」(自賠責保険)の申請書類を請求期限が過ぎてい
るのに日付を書き換え、数十件約300万円を別の保険会社から不
正に回収していたものだ。自賠責保険を所管する国土交通省では『
ここまで大きな自賠責保険の不正回収は聞いたことがない」として
いる。』

「…チューリッヒの損害調査部のシニアマネージャー(当時)と
その部下ら7人が、請求期限の過ぎた書類の支払期日を書き換え、
自賠責保険金を別の保険会社から違法に回収していた。」

「…事故や保険金支払いを調査する「実質査定要員」が慢性的に
不足しがちで、査定要員1人当たりが常時抱えている事故処理件数
(対人、対物)は、国内大手損保の約2倍に当たる平均320件。
多い査定要員になると、500件に上る。

…これに対し、…事業本部長は『契約の伸びと比例する形で査定
要員なども増強してきている。お客様からの声でも、外部の評価で
も、当社のアフターフォローには高い評価をいただいている』と真
っ向から反論している。」

「チューリッヒ側の情報開示姿勢にも問題がある。チューリッヒ
は内部告発を受け、今年5月から社内調査を開始。『01年7月か
ら02年6月にかけ、数十件、金額にして300万円相当の不正を
行っていたことが判明した』(ウェーバー本部長)。社内調査の結
果は6月30日に金融庁へ、国土交通省には7月1日に報告された
が、『弁護士とも相談した結果、外部に今回の調査結果などを公開
する必要がないと判断した』(同)という。」

(2004/08/07, 週刊東洋経済)

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●政府税制調査会で問題にされた「外資」

さて税制調査会の議事録から外資が行っている「節税」手法を紹
介しましょう。

(1)再保険料として送金する

日本で営業する保険会社をバミューダの子会社にします。日本で
売った保険の保険料の85%を再保険料としてバミューダの親会社に
支払います。こうすれば日本に利益が残らず日本の法人税を払わな
いで済みます。

日本の保険会社が外国の保険会社に再保険料を支払うのは経費で
あり源泉徴収なしでそのまま送金が可能なのです。そしてバミュー
ダに法人税はありませんので、全く非課税で所得がプールされます。


(2)ケイマンの親会社に送金

日本支店から海外の本店への送金は「単なる送金」ですから源泉
徴収の必要がありません。

日本で活動する会社には「○×証券株式会社」でなく「○×証券
会社」が多々あります。株式会社ではありません。それは日本法人
ではなくてケイマン法人だからです。ケイマンにダミーのペーパー
本店をつくって、その支店が日本で活動します。

実質は日本法人なのですが、あくまでも設立準拠法はケイマン法
で、その支店のみが活動しているわけです。なぜこんな形態をとる
かというと、支店から本店への送金については、単なる送金ですか
ら、源泉徴収がかかりませんので、この本店・支店構造を使った節
税となります。
バードレポート2002.6.17.
「外資が活用する税制の抜け穴…匿名組合・保険料・支店・出国」
http://www.bird-net.co.jp/rp/BR020617.html


財務省 税制調査会第1回金融小委員会議事録 (2001/7/3)より
http://www.mof.go.jp/singikai/zeicho/gijiroku/kin01a.htm

「それから日本から外国の系列保険会社、大抵の場合にはバミュ
ーダかルクセンブルグにございますけれども、そういう外国の系列
保険会社に再保険料を支払う。つまり、日本の損害保険会社がそう
いう系列の保険会社に対して再保険料を支払いますと、再保険料は
費用ですから損金算入され、また、保険料の支払いについては源泉
徴収がなされませんので、単に再保険料の支払いという形をとるだ
けで、日本における利益を圧縮させ、日本の税金は全くゼロにする
ことができるわけです。その系列の保険会社からさらに日本に子会
社を持っている親会社に利益が流される。つまり、バミューダとか
ルクセンブルグの会社が単なるサンドイッチの中身のように使われ
ていて、名義貸しのようなことが行われているという例もあるよう
に聞いております。

それから、外資に何の恨みもございませんが、外資系の証券会社
はそのほとんどが、さまざまな理由から、ケイマン法人の日本支店
という形をとっているわけでございます。ケイマンに本店を置く。
で、日本支店が営業活動を行うわけですが、ケイマンの本店はペー
パーカンパニーですから、実体は何らないわけで、支店に実体があ
るという形をとっておりますけれども、これは別に税金逃れだけが
目的ではないでしょうが、節税も十分に目的の一つに入っておりま
す。

日本支店から海外の本店に送金する際には、実は源泉徴収ができ
ないわけです。この日本支店が、先ほどのオランダのペーパーカン
パニーとの間で匿名組合契約を持ってますと、利益の大部分はオラ
ンダに非課税で持っていって、残った利益について多少の法人税を
払い、その残りを配当で支払えば源泉徴収があるのですが、これは
支店・本店取引ですから、配当ということになりません。単なる送
金ですので、日本の課税、源泉徴収がないということです。これで
日本の国庫に入るお金が随分圧縮されているのではないかと思って
おります。」

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