トピックス 2003年10月から12月
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トピックス 2003年10月から12月
団体保険の基準緩和で、加入者激減への対応
命賭け株式投資…変額年金で「絶対負けない人生最後の大博打」
民間生保会社とクロネコヤマトと郵便局との違い
…トホホな民間生命保険会社
ドル建ての生命保険が急拡大
債券で運用する保険会社のソルベンシーマージン
遺された親への死亡保障のための保険商品
「騙された!!」のなら生命保険の転換は取り消し
…トホホな民間生命保険会社2
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団体保険の基準緩和で、加入者激減への対応
団体生命保険には「Aグループ」と呼ばれるものと「Bグループ」と呼ばれるものがあります。
「Aグループ」は会社負担で全員加入のもの。Bグループとは従業員個人負担での福利厚生としてつくられる制度です。一般の保険よりも保険料は安くなっています。これまでは全従業員のうちで35%以上が加入しないと制度が廃止としていました。
つまり従業員の35%以上加入を条件として安い保険料を提供していたのです。最近は加入率が下がってきているようで、日本生命や第一生命などは35%基準を10%にまで引き下げることにしました。
(日経金融2003.10.1.)
命賭け株式投資
…変額年金で「絶対負けない人生最後の大博打」
○変額年金の死亡保障
生命保険会社の変額年金が人気です。保険商品というより死亡保障付きの株式投資信託のような商品がほとんどです。
一方で変額年金は実績運用商品です。中途解約した場合には、実際の積立金残高だけが払い戻されるだけで(解約控除は別途あり)、元本保証はありません。
しかし被保険者死亡時には死亡保障として、払込保険料総額を死亡給付金の最低保証額とする商品が多いようです。
例えば払込保険料の総額が1000万円、運用に失敗しその時の積立残高が200万円であっても、被保険者死亡ならば1000万円が死亡
給付金となります。
普通の生命保険は高齢者の保険料は高額になります。そうすることで保険会社は収入(受取保険料)と支出(死亡保険金)とのバランスをとります。
しかしこの変額年金では年齢に関係なく資産残高に対しての一定の割合です。保険関係費用として運用残高の2%前後が毎年徴収され、それがこの死亡保障への保険料となります。年齢で保険料の差がありません。
もし株が値上がりすれば保険会社は大儲け。積立金残高が増えていますからそれを死亡給付金として払うだけで、保険会社の懐は痛みません。死亡保障への保険料部分はすべて儲け。しかし株が暴落して契約者の積立金が激減していたら大変です。わずかな保険料で多大な保障を強いられます。
○変額年金の「危ない使い方」
カンのいい方なら、ここまでで、変額年金の「危ない使い方」が分かったはずです。
変額年金ではファンド(特別勘定)を契約者が選択変更できます。死亡時に払込保険料総額最低保証タイプでハイリスクハイリターンのファンドにします。
安全な投資なら経費負担の多い変額年金なんか使う必要はありません。この「危ない使い方」はお年寄り向き。(子の資金で被保険者親なら?)健康の審査はほぼフリーパスです。(なお「変額年金」でなく「変額保険」は死亡保障が大きいので審査があるのが普通です。)
人生最後の「命賭け」の大博打。勝ったらそれでよし。負けたら塩漬けにします。いつか自分が死んだときに保険会社が元本全額保証してくれます。勝てなくとも絶対に負けません。
保険会社が自分より先に逝ってしまうリスクが最大リスクです。 契約内容により保険関係費に差をつけたりハイリスクファンド制限する商品も現れています。
○保険選びネット
変額年金について全保険会社140商品の比較をしています。
変額年金140商品比較検討表
特別勘定までも大比較しています。ずいぶん労力がかかっています。特別勘定を見定めて商品を選ぶことが大切です。
変額年金の比較検討の仕方
知っているのと知らないのでは大きな差です。
「フィデリティ 日本株成長株ファンド」は人気投資信託で多くの変額年金商品に特別勘定として組み込まれています。
例えば、スカンディア生命の商品には商品によって「フィデリティ 日本株成長株ファンド」「フィデリティ 日本株成長株ファンドVA2」「フィデリティ 日本株成長株ファンドVA3」が組み込まれています。
それぞれ運用上は同じ母ファンドなので成果は大きく変わらないはず。にもかかわらず、支払うことになる運用関連費は投資残高の1.53%・1.23%・0.88%と倍近くもの大きな差があります。こんなことに気がついている契約者はほとんどいないでしょう。
変額個人年金トピックス
・変額年金はどう説明されどう販売されているのか
・生保会社の変額年金を証券銀行が売りまくる。
・再保険にだしているから大丈夫のはず?
・いろいろな保険会社が日本で変額年金を販売中。
・証券会社や銀行が受け取る変額年金販売手数料
民間生保会社とクロネコヤマトと郵便局との違い
…トホホな民間生命保険会社
クロネコヤマトは「宅急便」で頑張りました。郵便小包以上のサービスを提供しました。国民はそのメリットを実感していますから、郵政民営化についてクロネコヤマトの言い分に耳を傾け拍手します。
2003.11.13.の日経金融で生命保険協会会長でもある第一生命の社長が「簡保は有害、廃止すべき」といいます。第一生命は現在の主力商品「堂堂人生」で長期保障商品(いわゆる全期型)の提供を放棄して、悪評も多い10年更新型の商品だけにしました。
安定した長期保障商品は保険会社にとってはリスクが多く都合が悪い商品だからです。国民は安定した保障商品を選択する選択肢を失いかけています。
簡保は新商品の認可を11月14日に総務省から受けました。民間保険会社は総反発です。しかしこれは安定した保障商品の選択肢を第一生命に代わって郵便局が用意してくれることかもしれません(商品詳細は不明ですが、東洋経済2003.10.4.の実例では期間20年の保険料例がでていましたから最低でも20年の長期保障商品となるようです。)
簡保は税金を払わないし国の保障があるから不公平だという問題や財投等の問題も確かにあります。これはそれなりに正さなくてはいけないでしょう。
しかし、簡保は「保険会社」にとっては有害であっても、現在において「国民ひとりひとり」にとっては明らかに有益です。大切にすべきは保険会社ではなく、国民です。
民間保険会社は簡保よりもよい商品を国民に対して安定提供できるのでしょうか、クロネコヤマトのように。もしそうであるのなら「民業圧迫」と大きな声で言ってもいいでしょう。
ちなみにbird発行人は「官業」を好むものではありません。まったく逆です。ただ、下のような実例を見てしまうと…トホホです。
第一生命の「堂堂人生」
保険会社のために「よく工夫された」保険の内容も興味深いのなのでお読みいただきたいのですが、保険料設定にも興味深いものがあります。ある実際の保険設計書の例を解説しています。
保険会社だって経費が必要なのは理解をするんですが…。
「この生存給付金に対する保険料として月4433円づつ払う10年間払い合計531,960円を払うことによって、10年後に生きていれば500,000円の給付金だけが約束されている。
しかし貯蓄タイプの養老保険とは違って、生存保険だから途中で死んだなら1円も戻らない。途中で死んだら1円も戻らない(つまり保険会社がとってしまう)のならば、生存給付金額が払込保険料総額より多くなくちゃおかしいし、それが保険の考えの常識だと思うんだけれどもな…。何でだろう?」
ソニー生命の喫煙リスク区分型の保険料の表示
「ソニー生命??消費者に誠実なの?納得できる説明をして!」
「つまり本当は88%、つまり12%割引でしかないのだ。これは実際は12%割引にしか過ぎないのに、それを43%割引と思ってしまう(つまり誤解をする)意味の無い数字をパンフレットに表示しておくということじゃないの?」
相変わらず納得いくご説明をいただいていません。
参考…二重価格表示に関する景品表示法上の考え方
(公正取引委員会)
景品表示法は,商品の販売価格について,実際のもの又は競争関係にある他の事業者に係るものよりも著しく有利であると一般消費者に誤認される表示を不当表示として禁止(第4条第2号)。
このため,二重価格表示に関しては,架空の高い価格等を比較対照価格に用いて,実売価格が実際よりも著しく有利であると消費者に誤認される表示は,不当表示に該当する。
ドル建ての生命保険が急拡大
外貨建て保険が急拡大しています。外貨建て保険はドルやユーロなど保険金を外貨で受け取る保険商品です。プルデンシャル生命のドル建て終身保険は前年比5.8倍、アリコジャパンのドル建て定額年金は7.9倍。
欧米の市場金利は日本より高いので高い予定利率を設定できます。そのために通常の円建て保険よりも安い保険料設定が可能です。もちろん為替リスクを契約者が負うことになりますが。
(日経金融2003.10.21.)
そして日本の生命保険会社もドル建て商品の提供を始めます。東京海上日動あんしん生命は年金をドル建てで受け取る年金を発売します。予定利率は約4%に設定されています。保険料は円建てです。年金はドル建てなので為替リスクがありますが、年金受給開始前の死亡時は円建てで元本保証します。
(日経2003.11.9.・新日本保険新聞2003.11.24.)
債券で運用する保険会社のソルベンシーマージン
株価が上昇したことにより、保険会社の安全度を確認するためのソルベンシーマージン比率は各社大幅に上昇し、大手生命保険会社は何とか一息つきました。例えば日本生命は前年度末の630.6%から800.6%へと大幅アップしました。
しかしプルデンシャル生命は1096.8%から1057.7%へとダウンです。「債券価格が下がり、それによって、含み益が減少したことが大きなインパクトとなっている。ほとんど債券運用している生保にとって、同じ現象が起きているだろう。…同社執行役員」。
(保険情報2003.12.5)
株価が上がって救われる金融機関ばかりではないようです。金利上昇により債券価格は下落します。株式でなくもっぱら国債等の債券で運用している金融機関は金利上昇による試練を迎えます。
遺された親への死亡保障のための保険商品
プルデンシャル生命が新商品を発売します。子が契約者かつ被保険者となり、親が保険金受取人になります。親が被保険者で子が死亡保険金受取人なら当然ですが、逆のパターンです。
小子化高齢化を背景に、独立した子供たちが「自身の死により、遺された親の生活の経済的な不安を取り除く」というコンセプトの商品です。子が死ぬと親が死亡保険金を受け取ります。親が先に死ねば親の経済的不安も消滅しますので、それまで払い込んだ保険料が子に戻されて保険は終了します。また親が90歳に達するか子が70歳に達したときに契約は満了します。
社会のニーズを的確に読み取った新しい保険商品といえるでしょう。
(保険毎日新聞2003.12.8.)
「騙された!!」のなら生命保険の転換は取り消し
…トホホな民間生命保険会社2
生命保険を同じ会社の別の商品に乗り換える転換契約(コンバージョン)については、契約者によく説明されないまま、契約者に不利な契約を強いていることがよくあるようです。
生命保険協会の調停機関「裁定審査会」で、生命保険会社と契約者との間で転換を取り消す和解が成立します。生命保険協会が間に入った転換契約の取り消しは2件目だそうです。
日経ビジネス誌に掲載の「保険見直し」という設計書では、従来契約の「リード21(第一生命)」という終身保険については、一定年齢で保障が激減し保険料だけが増える図が描かれています。実際には保険料が増えれば保障が維持されるのですが、それを書かずに不利な点だけを描くので、従来の契約については実際よりも不利に見えて(見せて)しまうのでしょう。
一方で転換後新契約「堂堂人生アンカー・らぶ」は、将来においてより保険料負担が重くなることが読んだだけでは理解しずらいようです。
この設計書はコンピューターで打ち出された立派なカラーのもの。一営業員が手書きで書いたり、ワープロしたものではなく、大手保険会社がシステムとして日本全国で使っていたものなのでしょう。トホホ…何とも絶望的な気分になってしまいます。
生命保険協会の担当者は「申込書に本人が署名、押印していれば、(契約者は)裁判では勝ち目が薄い。」のだとか。これに対して記者は「法的な責任はともかく、定年を間近に控えた男性のことを考えて提案されたかどうかは疑わしい。」と書いています。
かつては銀行を訴える裁判での裁判官は「銀行が悪いことをするはずがない」と思い込んでいて、思い込みに基づく判決ばかりでした。今は違います。「銀行が悪事をすることも多い」という事実を多くの裁判官は実際の裁判の中から知りました。
保険会社に対しての裁判官の思い込みが変わって「勝ち目が濃く」なるのはいつになるのでしょうか。多くの騙された契約者が訴訟をしない限りは裁判官は実情を知ることができないのでしょうか。
第一生命では「年間約100件の転換契約を元に戻している」そうですし、大手生保では年間数十件から百数十件もの取り消しが行われているようです。
「騙された」と思ったら、とりあえず保険会社に怒鳴り込みましょう。取り消しは可能なのですから。
(日経ビジネス2003.12.22・29日号)
■堂堂人生のトホホな転換設計書…なんともやは情けない…設計書を入手して分析しました。
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